JALグ、19年度1Qは国内線好調で売上高4%増、利益は減
JALグループは7月31日、2020年3月期第1四半期(19年4月1日~6月30日)の連結業績を発表した。売上高は前年比4.0%増の3557億4300万円、営業利益は15.6%減の210億4800万円、経常利益は7.9%減の212億7400万円、純利益は32.1%減の119億900万円。旅客事業は国内線を中心に好調で増収となったものの、20年の首都圏空港発着枠拡大を見据えた先行投資などにより、各利益は減少した。営業費用は5.5%増の約3346億円、営業利益率は1.4ポイント減の5.9%だった。
なお、営業費用などの数値には今年度から航空部品などの償却方法を変更したことが影響しており、変更しなかった場合の営業費用は4.5%増の3313億円、営業利益は2.1%減の244億円、営業利益率は0.4ポイント減の6.9%と、いずれも増減は小幅となる。同日の決算発表会見に出席した取締役専務執行役員財務・経理本部長の菊山英樹氏は、営業費用への影響については「燃油費や先行費用の増加はあるが、それ以外は概ね供給・需要の伸びに比例している」と述べ、収支については「実質的にはほぼ前年と同レベル」との見方を示した。純利益の大幅な減少は、今年度からの実効税率上昇の影響などによるもの。
国際線の旅客収入は成田/シアトル線の開設などもあり2.4%増の1278億万円で、有償旅客数は0.5%増の226万2000人。座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は2.9%増となったものの、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)が海外発需要を取り込めず1.4%増だった結果、有償座席利用率は1.1ポイント減の80.2%となった。単価は1.9%増の5万6520円、イールドは1.0%増の11.5円、ユニットレベニューは0.4%増の9.2円だった。
国内線の旅客収入は5.7%増の1239億万円と好調で、有償旅客数は4.3%増の865万4000人。ASKは0.7%増、RPKはゴールデンウィークの10連休効果や、その後も個人旅行などを中心に好調が続いていることで5.5%増となり、有償座席利用率は3.3ポイント増の71.9%となった。単価は1.3%増の1万4327円、イールドは0.2%増の19.1円、ユニットレベニューは5.0%増の13.7円だった。
なお、報告セグメントに含まれない、旅行企画販売事業など「その他」の売上高は6.2%増の679億7000万円で、セグメント利益は4.6%減の31億6200万円だった。
19年度の連結業績予想は当初の数値から変更せず、売上高は5.1%増の1兆5630億円、営業利益が3.5%減の1700億円、経常利益が3.4%増の1710億円、純利益が24.4%減の1140億円。営業利益については、償却方法を変更しなかった場合は2.2%増の1800億円に相当するという。
そのほか、質疑応答で菊山氏は、全日空(NH)の成田/ホノルル線へのA380型機投入などを受けて競争が激化しているハワイについて「(旅行者の)総需要については楽観していない。料金単価も若干下がっているが、それなりの戦いをせざるをえない」と状況を説明した。日本航空(JL)は今年度のハワイ路線定期便の座席供給量を、昨年度から10%以上減らす予定(下記関連記事)。なお、ハワイアン航空(HA)とのジョイントベンチャー開始については、すでに当局に申請済みであることを伝えた上で、「そう遠くないうちに認可される」との見方を示した。