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週間ランキング、1位はHISのTOB、EXPOは「次のステージ」へ

[総評] 今週の1位は、エイチ・アイ・エス(HIS)がユニゾホールディングスに対して株式公開買付(TOB)を実施するニュースでした。さすがHISといいますか、話題性には事欠きません。10日に発表され、その日のうちに記者会見も開催されたようですが、会見について気付くのが遅れてしまい参加できなかったのは痛恨の極みで、不十分な記事をお届けしてしまったことをお詫びいたします。

 ただ、自分の落ち度を棚に上げると、澤田秀雄社長が何を話されたかなどはネットで少し調べればいろいろなメディアの記事で読むことができるわけで、この点は企業側の発表でコンテンツを作る際のメディア側の悩ましさです。業界誌ならではの視点といってもそう簡単に差別化しきれるものでもなく、かといって録音の書き起こしのようにすべてを書き記そうとするのは、少なくとも私は読むのも書くのも好みではありません。

 こういうような状況が続くと、そのうち同じ話題について様々なメディアが取り上げた内容をAIが読み込み、ユーザーが必要とする状態に整形して届けてくれるようなクリッピング的サービスが出てくるような気がします。ウェブサイトやメール、さらに紙の新聞などを横断的に把握し、あの媒体は詳しいけど長すぎる、この媒体はスピードは早いけれど業界的には情報が薄い、あっちは…、というようななかから、各媒体の良い部分だけをまとめてくれるとしたらどうでしょうか。

 いずれは取材からすべてが自動化されるのかもしれませんが、現在の様子を見る限りはそう簡単ではなく、それに比べればプロが書いた記事なりをまとめていく方が実現が容易なような気がします。著作権の問題もあるかもしれませんが、外国語もそこそこの精度で翻訳して取り込んでくれるようになれば個人的には是非利用したいところです。

 ちなみにトラベルビジョンとしては、こうしたトレンドのなかでこの1、2年かけて独自コンテンツの充実に取り組んできているところで、まだまだ道半ばではありますが、インターネットの他のどこを探しても載っていないようなインタビューなども増やせてきています。次はさらにその先に目を向けつつ、この方向性を堅持してユニークな情報をお届けしていきたいと考えるところです。

 今週はこのほか、ランク外となりましたがツーリズムEXPOジャパンの概要も発表されました。同イベントは従来東京で開催してきたもので、今回が初めての地方開催となります。

 来場者ベースで見ると昨年は20万人を超えたそうですが、それに対して今年は13万人の目標ということで大きく数を減らしています。とはいえ、関東地方と近畿地方の人口は大まかにいうと4000万人と2000万人くらいの差があるといわれますから、必ずしも簡単な目標ではないのでしょう。(ちなみに、関空旅博の来場者数は、2018年で4万3000人であったそうです。)

 また、出展者数は100ヶ国・地域と国内47都道府県ということで、海外については昨年の世界136ヶ国・地域からかなりの減少となります。ただ、こちらは名ばかりの出展者が減るのだとすれば歓迎すべきことと感じます。

 昨年も書きましたが、今年の大阪と来年の沖縄は諸々をリセットできる良い機会となるはずです。テーマも「私の旅は、次のステージへ。」となっていますが、再来年に無事に東京へ戻ってくる際には、以前にも増して活発かつ意義のあるイベントとなり、トラベルビジョンとしても業界最大の「お祭り」を迷いなく取材できるようになることを期待しています。(松本)

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