IATA、5月の航空需要は堅調、停滞傾向も-国際線利用率が8割超え

  • 2019年7月9日

国際航空運送協会(IATA)がこのほど発表した2019年5月の全世界における航空輸送実績で、需要を表す国際線の有償旅客キロ(RPK)は前年比4.3%増となった。これに対して座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は2.1%増で、ロードファクターは1.7ポイント増の80.4%と8割台に達している。

 路線別で見ると、RPKは全方面で前年を上回り、特にラテンアメリカは6.7%増と好調。次いで欧州が5.4%増、北米が4.8%増、アジア太平洋が4.0%増などとなった。一方、ASKでは、欧州が4.6%増となったほか、ラテンアメリカも4.0%増で増加傾向。中東では6.1%減と大きく減少しており、結果としてロードファクターは5.0ポイント回復した。

 国内線は、全地域の合計でRPKが4.8%増、ASKが3.8%増、ロードファクターが0.8ポイント増の83.4%。RPKではロシアが10.6%増と好調で、次いで中国が7.6%増、日本が6.6%増、インドが6.0%増などとなった。ASKでもロシアが9.6%増で最も高い結果となっており、2位は中国の7.1%であった。ロードファクターではインドが2.3ポイント増の90.1%となった。

 IATAでは、国際線と国内線を通して需要は堅調に伸びているとしつつ、この数ヶ月の傾向としては明確に停滞気味であると警鐘を鳴らしている。

IATA 2019年5月 国際線需要動向

方面RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
アフリカ+2.1%+0.1%67.0%+1.3pt
アジア太平洋+4.0%+3.0%78.6%+0.8pt
欧州+5.4%+4.6%84.2%+0.7pt
ラテンアメリカ+6.7%+4.0%84.0%+2.1pt
中東+0.8%-6.1%73.0%+5.0pt
北米+4.8%+2.7%83.6%+1.7pt
合計+4.3%+2.1%80.4%+1.7pt

IATA 2019年1月~5月 国際線需要動向

方面RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
アフリカ+2.4%+0.8%70.3%+1.1pt
アジア太平洋+4.1%+4.0%80.5%+0.1pt
欧州+6.5%+6.4%83.5%+0.1pt
ラテンアメリカ+5.3%+5.1%82.6%+0.2pt
中東+0.2%+0.1%75.0%+0.0pt
北米+4.7%+3.2%81.9%+1.1pt
合計+4.5%+4.1%80.7%+0.3pt

IATA 2019年5月 国内線需要動向

市場RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
オーストラリア+1.1%+0.8%77.0%+0.2pt
ブラジル+1.3%-4.4%81.4%+4.6pt
中国+7.6%+7.1%83.2%+0.4pt
インド+6.0%+3.3%90.1%+2.3pt
日本+6.6%+2.0%71.6%+3.1pt
ロシア+10.6%+9.6%80.1%+0.7pt
米国+4.6%+3.9%86.0%+0.6pt
合計+4.8%+3.8%83.4%+0.8pt

IATA 2019年1月~5月 国内線需要動向

市場RPK
前年比
ASK
前年比
L/FL/F
前年比
オーストラリア-0.2%-0.3%78.9%+0.1pt
ブラジル+2.7%+0.7%82.2%+1.6pt
中国+8.2%+8.4%83.9%-0.2pt
インド+5.5%+6.9%87.8%-1.2pt
日本+4.0%+2.4%70.2%+1.0pt
ロシア+11.2%+10.6%78.9%+0.4pt
米国+4.5%+4.2%83.7%+0.2pt
合計+4.9%+4.7%82.4%+0.2pt
◯有償旅客キロ(Revenue Passenger Kilometer、RPK)=運航距離×有償旅客数
◯有効座席キロ(Available Seat Kilometer、ASK)=運航距離×座席数
◯ロードファクター(Load Factor)=RPK/ASK