インドネシア、バタムとビンタンへ誘客強化、シンガポールと組み合わせ提案

  • 2019年7月9日

プルナジャヤ氏 インドネシア共和国観光省はこのほど、シンガポールをハブとしてバタム島とビンタン島に旅行者を誘致するツーリズム・ハブ・プログラムを発表した。インドネシア共和国大使館公使のトゥリ・プルナジャヤ氏は「インドネシアはバリだけでなく1万7000以上の島があり、例えばバタム島やビンタン島などの素晴らしいリゾートがある。もっと日本マーケットに知っていただきたい」と挨拶。また観光産業はまだまだ発展できる産業であるとして「インドネシア大使館は皆様をサポートする準備ができている」とアピールした。

 そして、観光省アジア・パシフィック地区マーケティング総局でアジア・太平洋地区担当局長を務めるアルディ・ヘルマワン氏がプロモーション戦略を説明し、2020年までに2000万人の外国人旅行者を誘致する目標に向けて、「ツーリズム・ハブ」プロジェクトを開始したことを紹介。

 これは日本、中国、韓国、インドなどからシンガポールに訪れた観光客をフェリーでバタム島やビンタン島へ誘客するもの。シンガポールを選んだ理由は、「世界からアクセスがしやすく、インドネシアと14の空路で結ばれているため」という。さらに同プロジェクトを含めて2019年の日本人訪問者数の目標を65万7700人としていることも発表した。

ヘルマワン氏(右から3人目)、ベイジンガ氏(右から4人目) また同省のツーリズム・ハブ実行委員会のクリスティーン・ベイジンガ氏からは、具体的な誘客方法として「Hot Deals(ホット・ディール)」を紹介。これはバタム島、ビンタン島までの移動、宿泊、アトラクションをひとつにした旅行業界向けのパッケージ商品で、今年の1月から6月まで日本市場で5300本ほど売れているという。

 シンガポールからバタム島、ビンタン島へはタナメラ港とハーバーフロント港の2つのフェリーターミナルから移動ができ、通常、バタム島までは49シンガポールドル(約8000円)がかかるが、ホットディールであれば23シンガポールドル(約1800円)のディスカウント料金になるという。またベイジンガ氏は「バダム島やビンタン島はシンガポールよりも物価が安いので、ホテルのほか、スパやレストラン、ゴルフなども安価で楽しめる」とアピール。このほか団体向けのインセンティブも用意しており、ショッピングバウチャーなどの特典を提供する。

 なお、ヘルマワン氏によると、インドネシアでは観光業は経済の中心のひとつと据えており、2019年には石油やガスなどのエネルギー分野を越えて240億ドルの外貨を獲得すると予想されているという。