HIS、2Qは売上高11%増で過去最高に、利益も大きく増加
エイチ・アイ・エス(HIS)は6月7日、2019年10月期第2四半期(18年11月1日~19年4月30日)の連結業績を発表した。売上高は前年比10.7%増の3778億3900万円、営業利益は17.2%増の89億7900万円、経常利益は13.0%増の88億7400万円、四半期純利益は37.9%増の49億6400万円。売上高は好調な欧州旅行やゴールデンウィークの10連休効果、M&Aで新たに連結した子会社の寄与、エネルギー事業の伸張で過去最高に。営業利益もハウステンボス(HTB)グループや訪日事業が減益要因となったものの計画値を上回り、各利益が大きく増加した。
旅行事業は売上高が10.9%増の3368億3100万円、営業利益が146.8%増の62億100万円でともに過去最高。主力の日本発海外旅行は売上高が13%増の2209億円で、国別ではフランスや韓国、グアムなどが好調だった。なお、ゴールデンウィーク期間中で今第2四半期に含まれる、4月26日から30日までの出発分については、売上高が188%増、総客数が109%増で、単価は38%増だったという。日本発国内旅行や、カナダのジョンビュー社などを追加した海外法人も売上高を伸ばした。訪日旅行については中国市場の競争環境の変化などにより、原価率の悪化やシェア確保のための人員増などが発生し、営業損失9億円を計上した。
ハウステンボス(HTB)グループの売上高は9.1%減の136億8900万円で、営業利益は29.4%減の26億8000万円。訪日客の減少などで入場者数が6%減となったことが響いた。ホテル事業は「変なホテル」が軒数を増やしている一方、前期に「ウォーターマークホテル札幌」などを売却した影響により売上高0.6%減の62億500万円、営業利益34.4%減の4億6700万円と同じく減収減益。九州産交グループは売上高が2.9%増の111億5500万円で、営業利益は14.8%減の2億9700万円だった。
新たなセグメントのエネルギー事業は、売上高が78.8%増の92億8100万円で、営業利益は3億6300万円(前年度は3億7300万円の損失)。売上高は契約数の順調な増加により大幅に増加し、営業利益は調達先の多様化により黒字に転じたという。
通期の業績予想は売上高が7.9%増の7860億円、営業利益が10.6%増の200億円、経常利益が7.7%増の210億円、当期純利益が0.6%減の110億円で、「ゴールデンウィーク特需」の反動の可能性などを勘案して前回の発表を据え置く。今後は6月末から、現在実施中のセールに続く「スーパーサマーセールファイナル」を開始するとともに、夏季には今年もグアムへのチャーターを毎日実施するなどしてテコ入れする予定。
HIS代表取締役会長兼社長で、先月末にはHTB代表取締役社長を退き取締役会長となった澤田秀雄氏は決算発表会見で、今後のHISグループについて「もちろんメインは売上も利益も大きい旅行業。大きく力を入れて引き続き、できる限り2桁成長させていきたい」と語った。同社は今後、世界の旅行市場への進出を加速し、海外法人の旅行事業売上高を国内での旅行事業と同規模にまで引き上げる考え。21年にはグローバル規模の仕入・流通・販売のための「グローバルインバウンドプラットフォーム」を立ち上げるという。