今年の2000万人「可能性極めて高い」-アウト促進協が現状と方針説明

会場の様子

 日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)は5月31日、今年度第1回の全体会議を開催し、市場動向や各部会の現状と今後の方針などについて説明した。

 JOTC会長の菊間潤吾氏は冒頭の挨拶で、今年4月までの日本人出国者数の累計が1割増と好調に推移し、残りの8ヶ月が3.4%増となれば2000万人の目標を1年前倒しで達成できると指摘したうえで、長距離路線を含めて座席供給量の拡大も続いていることから「達成の可能性は極めて高くなっている」と強調した。

 また、観光庁長官の田端浩氏も挨拶に立ち、「当然だが観光は相互交流が非常に重要」と語り、「2000万人を今年中に達成していきたい」と明言。そして、課題である若者の海外旅行需要の喚起についても、「各国との交流を進めるマインドを持ち、現実にそういう体験をしたうえで、グローバルな社会で力強く生きていく必要がある」とし、JATAの「ハタチの一歩 20歳初めての海外体験プロジェクト」の後押しや認知向上に取り組んでいく考えを示した。

 地域ごとに立ち上げている部会ではそれぞれに訪問者数の目標を持っており、これまでに推進してきたテーマをさらに深掘りするセミナーや研修旅行などに加えて独自の活動も展開。例えば欧州部会では今年度、15年度の「美しい村30選」、17年度の「美しい街道20選」に続いて「美味しいヨーロッパ100選」の選出と商品化を計画。同様に、中近東・アフリカ部会も「秘境20選(仮称)」を検討している。

 また、オセアニア・大洋州部会で、リピーター化の促進や登山禁止となるウルルへの需要減退阻止、全日空(NH)のパース線の活用に取り組むなど、地域ごとの課題に対する取り組みも進める。

 なお、2017年に開始したJOTCは、参画する企業・団体数が当初の137から217に増え、人数ベースでも345人が478人に増加するなど規模を拡大しているという。

JOTC、各部会の2019年訪問者数目標

欧州中近東・
アフリカ
北中南米オセアニア
大洋州
アジア中国韓国台湾
392.225.7421.167.6750269320200
※周遊旅行などでダブルカウントが生じるため出国者数とは異なる