全国最下位県から脱出 徳島県、官民で宿泊者数増加策

 宿泊者数全国最下位から脱却を―。この“汚名”を返上するため、徳島県では宿泊団体や旅行会社、交通機関、県ら官民が一体となって「『♯徳島あるでないで』プロジェクトチーム」を結成し、取り組んできた成果が実を結び始めた。

 同プロジェクトチームは、2018年9月から首都圏をはじめとする県外宿泊者数の全国最下位脱却に取り組んでいる。「あるでない」とは徳島の方言で「あるじゃないか」の意味で、旅行会社、航空会社、JR、宿泊業界、オンライントラベルエージェント(OTA)らが集まる全国でも珍しい集合体として注目されている。

 主な取り組みとして、各ウェブサイトなどに宿泊プランの導線となる徳島県特集ページの設置や、体験・食などを組み込んだ宿泊プランの造成と販売を実施。観光客や県民が徳島のいいところを「新発見・再発見」し、インスタグラムへの投稿キャンペーン、商談会・観光セミナーなどを開いてきた。

 取り組みによる成果を見ると、18年は220万5900人と全国最低のままだが、対前年比で10万4130人増。46位の奈良県との差も前年と比較すると約21万人縮減した。19年の1月の段階では46位と好調なスタートを切っており、47位との差は7800人と着実に成果を出しつつある。

 19年もウェブサイトの活用やSNS投稿キャンペーン、商談会・観光セミナーを開催し、目に見える成果に注力していく方針。

 全国でも稀有なプロジェクトチームといわれるメンバーは以下の通り。

 JTB協定旅館ホテル連盟徳島支部支部長、3旅連(KNT、NTA、TOB)代表、一般社団法人日本旅館協会徳島県支部長、徳島県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長、JTB徳島支店支店長、近畿日本ツーリスト中国四国徳島支店支店長、日本旅行徳島支店支店長、東武トップツアーズ徳島支店支店長、四国旅客鉄道徳島企画部部長、日本航空徳島支店支店長、全日本空輸徳島支店支店長、楽天トラベル徳島エリア担当者、リクルートライフスタイル(じゃらん)徳島エリア担当者、JTBるるぶトラベル徳島エリア担当者、一般財団法人徳島県観光協会部長、徳島県商工労働観光部部長、徳島県観光政策課課長、徳島県南部総合県民局地域創生部部長、徳島県西部総合県民局観光振興部部長。

 同プロジェクトチームの座長は、JTB協定旅館ホテル連盟徳島支部の植田佳宏支部長(ホテル祖谷温泉)、事務局は徳島県観光政策課誘客営業室。


情報提供:トラベルニュース社