ANAHD、18年度は初の売上高2兆円超え-旅行事業は減

  • 2019年5月2日

決算会見の様子  ANAホールディングス(ANAHD)は4月26日、2019年3月期(18年4月1日~19年3月31日)の通期連結業績を発表した。売上高は国際線旅客事業などの好調により、前年比4.4%増の2兆583億1200万円となり、初の2兆円超えを達成。一方、営業利益は燃油費の上昇などにより0.3%増の1650億1900万円と微増にとどまり、経常利益は整備部品の除却などで2.5%減の1566億8100万円、純利益は前年度のピーチ・アビエーションの連結子会社化による特別利益計上の反動で23.0%減の1107億7700万円となった。営業費用は4.8%増の1兆8932億円だった。

 航空事業の売上高は4.8%増の1兆8144億円、営業利益は2.4%増の1605億円。このうち国際線の旅客収入は9.1%増の6515億円で、旅客数は3.6%増の約1009万3000万人だった。座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は2.5%増、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は3.3%増で、利用率は0.6ポイント増の77.0%。ネットワーク拡大などに加えて、日本発のビジネス需要が総じて好調に推移し、急増する訪日外国人旅行者も取り込んだ。

 国内線の旅客数は0.4 %増の約4432万5000人で、旅客収入は1.0%増の6966億円。ASKが0.1%増だったところ、RPKは1.1%増となり、利用率は0.7ポイント増の69.6%となった。夏季の自然災害やロールスロイス社エンジンの点検整備による欠航の影響などがあったものの、国際線と同様にビジネスでの利用者と訪日客を取り込み、旅客数・収入ともに前年を上回った。単価は5.3%増加したという。

 LCCは旅客数が4.6%増の815万3000人、旅客収入が6.9%増の936億円で、ピーチ・アビエーション(MM)が牽引。ASKが1.9%増だったところ、RPKは1.8%増となり、利用率は0.1ポイント減の86.2%となった。

 旅行事業は売上高が5.4%減の1507億円で、営業利益は83.8減の6億円。海外旅行はダイナミックパッケージ「旅作」の集客が伸び悩み、国内旅行は主力商品の「ANAスカイホリデー」が自然災害などの影響を受けた。空港の地上支援業務などの「航空関連事業」の売上高は2.4%増の2910億円で、営業利益は23.9%増の131億円。商社事業は売上高が5.3%増の1506億円、営業利益は17.8%減の37億円だった。

 19年度の通期業績予想については、売上高は4.5%増の2兆1500億円、営業利益は前年並みの1650億円、経常利益は2.1%増の1600億円、純利益は2.5%減の1080億円を見込む。20年度の首都圏空港発着枠などを見据え、一部の人材採用などを前倒しで進めるという。

 なお、5月24日からA380型機を使用する成田/ホノルル線については、座席供給量が前年比で46%増えるが、財務企画・IR部会計チームリーダーの築舘宏治氏によれば、足元の予約も43%増と着実に増えているという。