本気のエコ&ラグジュアリー、西豪州「サルサリス」宿泊レポート
ネットもスマホも役立たず
世界遺産で過ごす豊かな時間
初日から「行きつけ」感、腹も心も満たされる
と、ここまで本音で厳しいことを書いてきたが、2度目がないかというとそうでもない。あれこれの問題を補う魅力のある場所でもあったのだ。
まずは食事。孤立した場所であり、基本的には3食とも施設内で食べることになる(チェックアウト日の昼食はなし)のだが、これがどれも実に美味しい。余計なことをせず控えめに食材の良さを生かしていて、もちろん好みによるが一般的には日本人好みの味付けではないかと思う。その食材は極力地元産のものを利用しているそうで、特にシーフードや野菜の味の良さは出色の印象。
また、夕食は19時からすべての宿泊客が揃ってロングテーブル形式で食べるのだが、英語でコミュニケーションする苦労はあるものの、美味しい酒食をともにすれば心が通うスピードは早く、翌朝には顔を合わせば挨拶を交わし合う仲となる。
食事は先述の通りオールインクルーシブであり、「このメニューにあれを単品で追加」「デザートの代わりにチーズが欲しい」といったわがままも柔軟に聞いてくれる。さらにドリンクが非常に充実しており、特にアルコールは、ワインはヴァス・フェリックスなど西オーストラリア州産の10種類以上のフルボトルが常時開け放題だし、ビールも数種類、さらにウィスキーやラム、ジンなどもオーストラリア国内のものに加えて「ラフロイグ」など玄人好みの銘柄まで数多く揃えられていた。酒飲みにとってはまさに天国だ。
しかも、することが少ないものだから5時くらいには誰かしら飲みはじめていて、6時には食前のカナッペが供され、ロングテーブルが終われば食後酒の時間が始まる。「旨い酒がある」「美味い食事がある」「仲間がいる」、つまり行きつけのレストランのようなもので、そう考えると、きっとアルコールをあまり飲まない人でも楽しめるのではないだろうか。
ちなみに、世界遺産のお墨付きを得ている大自然も最高のスパイスだ。ご覧の通りの風景が、楽しい時間をより鮮やかにする。