噴火後のハワイ島視察、キラウエアの現在と新観光素材の創出
9割観光可能、視察参加者も「まったく問題なし」
山と星空以外の素材も強化で需要回復へ
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ハワイ州観光局(HTJ)は、10月1日から3日にかけてホノルルで開催された年次総会「Global Tourism Summit」に合わせてハワイ島の現地視察を実施した。12社20名の旅行会社やメディアが参加し、5月に噴火したキラウエア火山の状況確認や、HTJが来夏向けて紹介していく予定のバーベキュークルーズを体験。キラウエア火山噴火後の日本人訪問者数が苦戦しているハワイ島の現状をレポートする。
現在はキラウエア火山の観光地の9割が訪問できるまでに回復
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ハワイ島は、コハラ、フアラライ、マウナケア、マウナロア、キラウエアの5つの火山から成り立っており、この中で一番若く活発に活動している火山がキラウエアだ。5月の噴火が大きく報道されたが、実際は1983年1月から噴火活動が続いている。地質学者によると、キラウエア火山が噴火により他の火山に影響することはないという。
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現在は噴火や地震は収まっており、ほぼ問題なくキラウエア火山を見学することができる。訪問できる場所も増えており、10月8日にはマウナロアロードとマウナロアトレイルがオープンし、オプショナルツアーなどで巡るような観光地の9割は訪問することができるようになった。
キラウエア火口を最も身近に体感できるのは、雨水や地下水が溶岩の熱で水蒸気となり地表の割れ目から湧き出す場所「スチームベンツ」。キラウエアビジターセンターから近く、駐車場もあるため車でも徒歩でも行くことができる。
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なお、噴火以前に火口を見学する場所として有名だったジャガーミュージアムは現在も閉鎖となっている。また、キラウエア火口の中にあるハレマウマウ火口は5月の噴火により80メートルから480メートルの深さまで陥没し、さらに岩石や灰で埋まってしまったため、以前は火口付近を彩っていた赤い「火映」も見られなくなっている。この点については、参加した旅行会社から「噴火前の火映を知っているので見られなくなったは少し残念」との感想も聞かれた。