ルックJTB、19年度は「ダイナミックJTB」強化-重点方面はハワイ

  • 2018年12月9日

生田氏  JTBは12月7日、「ルックJTB」の2019年度の上期商品発表会を開催した。19年度は今年度から販売を開始した、FIT向けの募集型企画商品「ダイナミックJTB」のさらなる販売強化をめざす。重点方面はハワイに決定。欧州では先日発表したシートインコーチ(SIC)型の周遊観光バス「ランドクルーズ」商品(関連記事)を積極的に展開する。このほか、シニア向けツアーブランドの統合も実施する。19年度のルックJTBの目標売上高は18年度見込み比5%増、目標送客人数は6%増。

 商品発表会で登壇した、JTB常務執行役員で海外仕入商品事業部事業部長の生田亨氏は、来年度の年末年始の需要取り込みをはかり、「ダイナミックJTB」で航空会社が座席の販売を開始する300日前に合わせ、3月上旬から商品を販売する考えを説明。「OTAは航空会社の発売とともに座席の販売を開始しているが、通常のパッケージツアーのサイクルでは同じ対応ができない。ダイナミックJTBでダイナミックパッケージツアーと安心・安全を重視したパッケージツアーの流れを捉え、お客様にJTBならではの価値を提供していきたい」と意欲を述べた。今後はランドクルーズと組み合わせた利用促進にも取り組むという。

 海外仕入商品事業部商品戦略担当部長の浅見雄介氏によれば、ダイナミックJTBで18年度掲げた販売目標は「残念ながら未達」。ラインナップ不足、消費者の認知不足に加え、「(各販売店で)『店頭での主力商品にしていく』という浸透が足りていなかった」ことを要因としてあげた。

 同氏は「ダイナミックJTBは公示運賃の販売や航空券や客室の料金変動に対応できる」としたうえで、「今後の強化により、(FIT志向の)お客様のニーズに応えていきたい。海外旅行商品の構成比としては1割弱だが、比率を高めていきたい」と意欲を述べるとともに、ランドクルーズと組み合わせた利用などを提案する考えを語った。

19年度GWの予約好調、150%増

 19年度については、生田氏が引き続き出国者数が増加する見通しであることを説明。要因として、政府が2020年の相互交流人口6000万人達成に向けて空港整備などに取り組むなか、航空座席の供給量が引き続き増加する見込みであること、ゴールデンウィーク(GW)が10連休、年末年始が9連休になるなど大型連休が続き旅行需要が高まることなどを挙げた。

 特にGWは、先行して発売した欧州やハワイ商品などの12月7日時点の予約状況が前年比150%増で推移していることを語り、「来週にはアジア商品を発売するので予約はもっと伸びるはず。チャーターをさらに増やし、座席に加えホテルを確保すればさらに伸ばせる」と期待を示した。

 このほか、生田氏は「航空会社の直販化、OTAの販売増、訪日客の増加などで航空座席の確保が困難になってきた」と課題を指摘。18年度はチャーターや座席の買い取りなどで26万席を確保する見通しを説明し、19年度以降も継続して取り組む方針を示した。生田氏は「生き残りのためは自らリスクを負い、需要を造るための活動を推進する」と強調。チャーターを活用し新規デスティネーションの開発にも取り組む。

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