JTB、大日本印刷と「情報銀行」の実証実験、12月から
JTBは11月29日、大日本印刷(DNP)と共同開発した「次世代トラベルエージェントサービス」について、12月から東京と京都の2エリアで実証事業を開始すると発表した。旅行者の個人データを「情報銀行」に集約して利活用を試みるもので、総務省の今年度の予算事業「情報信託機能活用促進事業」として実施する。将来的には⼀般社団法人日本IT団体連盟による「情報銀行認定」の取得をめざす。
情報銀行とは、行動履歴や購買履歴などの個人データを本人の同意のもと収集・管理するもので、個人は予め、自らのデータの提供先として認める事業者を選定。情報銀行は一定の条件下でデータを事業者に提供し、事業者はデータを活用して個人のニーズに合致した情報やサービスなどを提供することが可能になる。
観光は情報銀行の利活用が期待される分野の1つとされており、JTBとDNPは17年度にも同省の「情報信託機能の社会実装に向けた調査研究」に参加。今回の実証事業では「次世代トラベルエージェントサービス」によって「旅行者がストレスなく最適なサービスを選択・利用するための支援と、地域の観光関連サービス事業者による効果的なデータ活用やサービス提供の両立をめざす」としている。
具体的には来年2月まで、東京の上野エリアと京都の岡崎・蹴上エリアにおいて、旅行者から身元や連絡先、趣味、旅行先での行動プランなどのデータ提供を募り、「次世代トラベルエージェントサービス」の情報銀行に登録。登録者数は2エリアで1000名をめざす。
個人データを登録した旅行者は、実証事業に参加する100社程度の事業者から、ニーズにマッチした情報やサービスなどを受け取ることができるようになる。JTBとDNPは、旅行者には専用のスマートフォンアプリを、事業者には情報銀行からのデータを活用するためのマーケティングツールを提供する。