クラツーが「若い世代」拡大へ、女性限定新ブランド「fufufu」
30代から50代の女性に訴求
専用バスで国内ツアーも
女性限定ツアーのための専用バスを開発
ブランド化を機に女性目線のこだわりを強め、「これまでのイメージとは一線を画す“かわいい”世界観でアプローチする」と立石氏。その最たる例が、女性専用バス「ボヌール号」。内装・外装の担当デザイナーをはじめ、開発メンバーはすべて女性で「女性が心地よく、快適に過ごせるカフェのような雰囲気」をめざしたという。
バスの内部にはアメニティを備えた化粧台付きトイレ、コーヒーやハーブティーを振舞うカフェスペースなどを用意。座席の背面ポケットは、小物類の身の回り品が多い女性の利便性を考慮して小さな仕切りを付けた。
立石氏は「ツアーは移動の手段が重要。観光時間より移動時間の方が長い場合もあり、車内での過ごし方で、観光の仕方や印象が変わる」と語り、バスは女性の旅の楽しみ、期待感を高める重要な要素であることを強調。高級バスツアーやハイキングのテーマ旅行などで専用バスを運行し、その重要性を認識している同社だからこそ、“fufufu”にも専用バスが必要だと判断したといい、「乗った瞬間からうれしい気持ちがこみ上げてくるバス」をめざす。
消費者向けには、11月の運行デビューを前に、同社のカタログ「旅の友」9月号でバスのイメージを発表。予約受付を開始したところ、すぐに反応があり「手ごたえを感じた」と立石氏。現在、年度内の出発日を発表しているが、催行決定はもちろん、満席の出発日も少なくないという。
ブランド活動はウェブのみ、メディア・店舗と積極的にコラボ
女性限定ツアーは同社の主力販路であるメディア、そして店舗でも販売するが、“fufufu”としてのブランド活動はウェブが中心。公式ウェブサイト上の専用ページに登山ツアーやカメラ旅など、各チームが実施している女性限定ツアーをまとめ、旅行選びの利便性を高めると同時に、各テーマの顧客のクロスセルとリピート化を促す。
ウェブ中心の展開をする理由はもうひとつある。ブランド化後も女性限定ツアーの客層を若い世代に限るわけではない。従来通りの販売を実施しながら、若い世代にはオンラインでもアプローチする考えだ。
さらに、女性誌や旅行テーマに関連するショップなどとのコラボレーションにも力を入れる。共同企画のツアーやイベントを開催し、コラボ先の誌面やショップで告知する。同社で既に実施している手法で、立石氏は「顧客特性が分かるメディアやブランドとの共同企画は、弊社ツアーを喜ばれる新規のお客様に直接リーチできる」とメリットを挙げた。女子限定ツアーでも、女性誌の「家庭画報」やウェブメディア「OZmall」と共同企画を実施し、良い反響を得ているという。