クラツーが「若い世代」拡大へ、女性限定新ブランド「fufufu」
30代から50代の女性に訴求
専用バスで国内ツアーも
クラブツーリズムはこのほど、女性限定ツアーの新ブランド「旅するしあわせ。fufufu(ふふふ)」を立ち上げた。既存の女性限定ツアーをブランド化し、添乗員はもちろん企画担当も女性に限定。女性専用オリジナルバス「fufufu ボヌール号」も開発した。女性目線で女性が喜ぶ旅にこだわり、30代から50代の“大人女子”の取り込みを強化する。
先ごろ開催した記者会見では、テーマ旅行本部課長の立石麻優美氏が「クラブツーリズムはシニアの旅行会社のイメージが強く、若い人が参加する弊害になっているのではないかと危機感があった」と言及。同氏が「すべての女性スタッフと育てていく」と力を入れる、新ブランドのねらいと特徴、販売戦略を記者会見と後日取材からまとめた。
女性限定ツアーは「一回り若い世代」が中心
「ブランド調査の結果を踏まえると、若い方に選ばれる旅行会社になっていない。若いスタッフが多く、同世代が楽しめる旅行があるのに」と、立石氏はクラブツーリズムに対する市場のイメージに悔しさを見せた。同社のツアー参加者は、特に30代を境に割合が低くなるという。
これは「もともと平日のツアー催行が多い」という商品ラインナップにも要因がある。従来、長い距離を歩かない「ゆったり旅」などシニア向けの商品を充実させてきたが、今後は若い世代への対応を強化していく。その先鋒として期待するのが、今回の女性限定ツアーの新ブランド“fufufu”であり、ブランド立ち上げの理由の一つだ。
クラブツーリズムでは2012年から女性限定ツアーを販売しており、立石氏によれば参加者は「他のツアーよりも全体的に若い」。同社のツアーの参加者について、年代の割合を60代以上と50代以下で比べると、全体のツアーの平均は7対3ほどだが、女性限定ツアーでは6対4ほど。なかでも、海外ツアーとテーマ旅行に限ると50代以下が5割を占める。
その理由は、ハーバリウム作り体験など、企画そのものを今時の女性に喜ばれる内容に寄せる工夫に加え、参加者が女性のみという安心感もあるようだ。それを物語るのが、女性限定ツアーにおける1人旅の割合の多さ。海外・国内のツアーでは売上の8割から9割、バスツアーでも5割が1人旅で、海外の1人旅では30代や40代の参加が珍しくない。
「50代以下の方は1人で行くことに抵抗が少なく、ご自身の予定にあわせて気軽に参加されている。また、海外ツアーでは『行ってみたいけれど1人ではハードルが高い』方面のツアーへの参加が多い。参加者が女性だけなので1人でも大丈夫と思う方が多いのでは」と、テーマ旅行本部アシスタントマネージャーの横畠麻実氏は説明する。
女性限定ツアーはそもそも、「体力の違う男性と同じペースで歩くのが大変」などの声に応えた形で12年3月に登山ツアーで誕生。以降、現在では国内外ツアー、バスツアー、テーマ旅行などに拡充し、常時400商品を揃える。17年度は約2万名を集客し、今年度はその5割増を見込む。
記者会見で立石氏は、「単年度ごとに倍々で増やしていき、根幹を担うところまでいきたい」と意欲を見せた。まずは主要ターゲットを30代から50代へと若い世代に広げ、その後は20代のボリュームも増やしていく方針だ。