ハワイ、19年は「激動の年」-オールジャパンで需要回復へ、方針発表
JTBとの共同キャンペーンやNHのA380など話題豊富
持続可能な「レスポンシブルツーリズム」への転換も
日本市場に変化の兆し、進化したマーケティングプランへ
「Global Tourism Summit」は今年で3回目の開催で、世界32ヵ国から旅行業界関係者約2000名が参加しており、日本からは100名が参集。会場では世界各国の19年の活動と展望が発表され、日本市場についてはHTJ局長のエリック高畑氏が登壇した。
高畑氏は、17年の日本からの訪問者数158万7781人は、米国外からのインバウンドでは最も数の多い国であり、残りの他国をすべて合わせても185万人であるとして重要性を強調。17年の日本人の渡航先に占めるシェアでハワイは9パーセントであったが、今後は10パーセントを目標にしているとも語った。
一方、日本でもシェアリングエコノミーやデジタルネイティブなミレニアル世代などによる消費習慣の変化の波が到来しているとも分析。その上で、ハワイへの旅行トレンドも数年前とは異なってFITが急増していると指摘した。特に8月と12月はタイムシェアを利用する人が多くなるため、ハワイに訪問する半数がFITになることもあるという。
こうした旅行トレンドの変化について、高畑氏は「今までと同じビジネスのやり方では危険」との考えで、今後マーケティング、現地での受入体制などを変えていく方針を示した。
また、19年のトピックとして、JTBのグローバルディスティネーションキャンペーンの第3弾としてハワイが対象となったことも発表。特に、19年は3連休が11回あり、さらにゴールデンウィークも長期間となる予定であることから、「大きな機会」として需要回復をねらっていく。さらにNHのA380は座席数が520席あり今までの2機分とも考えられ、旅行会社も多くの販売チャンスにつながるとした。ただし、ヴァーレイ氏は、「旅行会社、航空会社ともにどこか1社だけと取り組む考えはなく、各社の戦略に応じてサポートしていきたい」とも語っている。
このほか、MICEマーケットは18年から継続して「インセンティブ」「教育旅行」「スポーツ」「エンタメ」「国際会議」の5つに注力。高畑氏は「キラウエア火山の噴火で一部団体のキャンセルがあったものの、最小限に留まったのは旅行会社のおかげ」と感謝の意を述べた。また、来年は企業の周年が多いといい、旅行会社もインセンティブの取り込みに積極的だという。
さらにレジャーマーケットでは8つの施策として、「(ごほうびハワイに代わる)新キャンペーン」「隣島プロモーション」「富裕層」「ロマンス」「若年層」「アロハプログラム」「地方からのファーストタイマー」「ハワイ公認プログラム」を設定した。