18年上期の旅行業倒産は4件減の13件、負債総額12.1億円
東京商工リサーチ(TSR)によると、2018年上期(4月~9月)における負債総額1000万円以上の旅行業の倒産件数は前年比4件減の13件となり、2年ぶりに前年を下回るとともに、1999年以降の20年間では10年の12件に次いで2番目に少ない結果となった。負債総額は29.7%減の12億1200万円で、3年ぶりに前年を下回った。
負債額別では、1億円以上5億円未満が2件増の5件、1000万円以上5000万円満が6件減の5件となり、それぞれ全体の38.5%を占めた。5億円以上の倒産はなかった。主な倒産は、5月に破産開始決定を受けた沖縄県の第2種旅行業者である大新華ホリデージャパンとその関連会社のグローバルジャパン、7月に破産開始決定を受けた静岡県の第1種旅行業者の国際観光など。
原因別では「販売不振」が10件で全体の76.9%を占めた。次いで「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が2件、「放漫経営(事業上の失敗)」が1件と続いた。形態別では13件全てが「破産」となった。
資本金別では、1000万円以上5000万円未満が8件で全体の61.5%を占めた。このほか、5000万円以上1億円以下と100万円以上500万円未満はそれぞれ2件、500万円以上1000万円以下は1件だった。従業員数別では4名以下が9件で全体の69.2%を占めたほか、5名から9名が3件、20名から49名が1件だった。地区別の1位は関東で9件、2位は中部で2件、3位は近畿と九州でそれぞれ1件ずつだった。
9月単月の旅行業の倒産件数は前年並みの2件。負債総額は388.9%増の1億7600万円で、2ヶ月ぶりに増加した。形態は2件とも破産で、原因別では「事業上の失敗」と「販売不振」が1件ずつだった。
なお、上期の宿泊業の倒産件数は10件減の36件で、負債総額は70.0%増の259億500万円。9月単月の倒産件数は3件減の5件、負債総額は103.2%増の44億4200万円だった。宿泊業の詳細は別途記載(下記関連記事)。