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週間ランキング、1位はDMM、4大GDSの社長対談は2位に

[総評] 今週は、DMM.comの旅行事業について第1弾となるツアーの販売を開始されたことをお伝えした記事が1位でした。2位にはアクセス、アマデウス、インフィニ、トラベルポートという日本市場における4大GDSのリーダーが集まっての対談が入っており、こちらはトラベルビジョンの独自企画としてお届けしたものでしたので最も読まれるのではないか(読まれてほしい)と考えていましたが、生憎叶いませんでした。

 GDSは、旅行業において極めて重要な役割を担っていながら表舞台に出ることはあまりない、いわゆる縁の下の力持ち的な立場であり、旅行業界の外に一歩出ればその存在の認知度すら極めて低いといっていいでしょう。

 業界内でも「入社時からそこにあるもの」というようにあって当たり前のものとして扱われ、あるいはお立場によっては社内システムの裏側に存在していて気付いてもいない、といったこともあるかもしれませんが、いずれにしてもその存在に大きく依存しつつも、それを運営する会社がどのような方針でどのように経営されているかについては興味がない、というよりも興味を持つ機会がないという方が多いのではないかと思われます。

 実際のところトラベルビジョンの記事へのアクセス状況でも、最近では例外的にNDC(New Distribution Capability)の話題で存在感を発揮していますが、これまでGDSの話題がランクインすることはあまりありませんでした。その意味ではむしろ今週の2位という順位は出色で、GDSが持つ業界内の社会基盤としての役割を思えばそこに光をあてられたことは業界誌として意義深いものを感じます。

 特に今回のように4社の社長が集まって議論をする場はあまりなかったでしょうし、その点でも注目していただいたのではないでしょうか。来週には後編として、件のNDCやその他のテクノロジーのトレンドなどについてお届けしますので是非そちらもお読みいただきたいところで、さらに今後も皆様に興味を持っていただける形で取り上げていきたいと意欲を持っておりますので、引き続きご注目いただければ幸いです。

 さて、順序が逆になりましたが1位はDMMのツアーです。以前の総評でも書きましたが(リンク)、DMMはその出自からユニークな企業です。旅行業においてもそのユニークさはいかんなく発揮されており、最近の異業種参入ではITの技術やノウハウを駆使してマスマーケットを攻めていくような戦略が多いのに対し、DMMの旅行事業はアフリカ事業部が起点となって立ち上げられ、「ビジネスとスタディ」に特化した中身重視のツアーを主軸に勝負していくという非常に尖った存在です。

 売上や儲けといったものを考えるとマスに行く方が早い気もしますが、個人的にはこういったアプローチはとても応援したくなりますし、それを認めるDMMという企業にも大いに好感が持てます。「1年以内の黒字化」をめざして「将来性が見えなければ早期に撤退する覚悟」ということですが、永く取り組んでいただき、旅行業に新しい風をもたらしていただきたいところです。

 なお、8位には日本旅行業協会(JATA)によるツーリズムEXPOジャパンの総括と来年への意気込みがランクインしました。数字の問題はさておき、来年は主要なデスティネーションのブース復活にも力を入れるとのことで、お取り組みに期待したいところです。とはいえ、「お付き合い」のようなもので出展させるのは時代遅れであり、かかる費用に対してどれだけの効果があるのかをどこまで示せるかが鍵となるでしょう。

 そもそも、理想論からすれば、コストパフォーマンスが十分に良ければそれほどの苦労はないはずなわけです。その意味では、今年「背水の陣」の覚悟で取り組まれたというB2Bの商談会は定量的に成果を計測しやすいのが特徴で、そこで高い成果を期待させられれば強い武器となります。

 EXPOの閉幕から2週間が経ちましたが、ここにきて今年の商談は(去年より)良かったという声がちらほら聞こえてきます。JATA事務局長の越智良典氏は大阪でも「東京と同じクオリティ」の商談会を実現すると話されたところで、その先の沖縄に目を向けるとやはり不安は感じてしまうものの、まずは来年のEXPOで是非また参加者からの高評価をお聞かせいただきたいと考えております。(松本)

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