海外旅行概況、18年3Qは5ポイント増、韓国が回復基調
日本旅行業協会(JATA)が8月2日から24日にかけて、会員616社を対象に実施した旅行市場動向調査で、7月から9月までの3ヶ月間の海外旅行のDI値(※)は前期(4月~6月)から5ポイント改善し、マイナス3ポイントとなった。前期に発表した見通し比では1ポイント増、前年同期比では13ポイント増だった。なお、調査は台風21号と9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響は含まれておらず、JATAでは影響を会員各社からヒアリングしているところ。
調査では、旅行会社から「昨年は北朝鮮のミサイル問題があったので良くなかったが、今年は韓国を中心にアジアの予約が戻ってきている」「夏のファミリー旅行、特に3世代旅行が堅調」などの意見が寄せられたという。
業態別では「ネット系旅行会社」が前期比52ポイント増の12ポイントと最も伸長。「海外旅行ホールセラー」が49ポイント増の17ポイントと続いた。最も減少したのは取扱額が30億円以上の「リテーラー1」で、18ポイント減の25ポイントとなった。方面別で最も伸長したのは「韓国」で11ポイント増のマイナス25ポイント。唯一前年を下回ったのは「アメリカ・カナダ」で1ポイント減のマイナス20ポイントだった。
顧客層別で最も伸長したのは「学生」で、20ポイント増のマイナス29ポイントとなった。「教育旅行」も14ポイント増のマイナス14ポイントと改善した。一方、「商用・視察」は3ポイント減のマイナス3ポイント、「ハネムーン」は1ポイント減のマイナス32ポイントと減少した。
10月から12月までの3ヶ月間については、海外旅行は7ポイント減のマイナス10ポイントを予想。旅行会社からは「9月にある2度の3連休、10月の3連休ともに特に需要が高くなっているとは感じられない」「訪日需要が好調で、航空座席の確保が厳しい路線が引き続きある」といった意見や、「米国により自由な貿易・交流が停滞すれば、世界的に大きなマイナスになりかねない」といった声が挙がった。
業態別では「リテーラー1」が4ポイント増のマイナス21ポイント、「総合旅行会社」が3ポイント増の14ポイントとなる以外は減少。特に「海外旅行系旅行会社」は31ポイント減のマイナス23ポイントとマイナスに転じる見通しだ。
方面別では「韓国」が4ポイント増のマイナス21ポイントと引き続き回復する見込み。最も落ち込むのは「ヨーロッパ」で、6ポイント減のマイナス9ポイントを予想する。顧客層別では「インセンティブ」が4ポイント増のマイナス12ポイントと最も伸長するほか、「ハネムーン」「ファミリー」「商用・視察」が改善する見通し。
このほか、2019年1月から3月までの3ヶ月間については、12ポイント減のマイナス15ポイントを見込む。
※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4項目を用意し、集まった回答を数値化したもの。回答数から「取り扱っていない」と回答したものを除いた数を母数として各回答のシェアを算出し、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いている。