AA営業本部長の矢島氏、ホテル経験生かし営業強化、旅行会社ともWIN-WINへ
ホテル業界28年、戦略的顧客マネジメントで能動的なセールスめざす
-AAに入社されて3ヶ月ほどですが、ホテル業界とは違うと感じる部分はありますか
矢島 私自身、航空業界についてはもっと勉強しなければいけない。ただ、ホテルの場合は一軒一軒オーナーがいて、ステークホルダーが多いが、それに比べると航空会社はストレートでシンプルだと感じる。また、ホテルよりも航空業界はかなり分業化が進んでいるので、AAではセールスにエネルギーを注げるのではないか。
セールスにリアクティブ(受動的)な部分があれば、プロアクティブ(能動的)に変えたり、他社がやっていなこともやっていきたい。たとえば、顧客開拓でも、他社よりも先を見越してやっていく。太平洋路線では他社との競合が激しいが、その競合している状態をセールスの観点から変えられるような実践的な取り組みをやっていきたいと思っている。
先ほどの戦略的顧客マネジメントの観点でいえば、例えばマリオットによる買収前のスターウッドは9つのブランドを持っており、それぞれのブランドをどのようなお客様に販売するかを常に考えていたが、AAでもそういった視点を持ってより戦略的にアプローチしてみたい。特にB2B2Cでは、旅行会社の先にどのようなお客様がいらっしゃるかをしっかりと見ていく必要があるだろう。
-航空会社と旅行会社との関係は変化してきています。旅行会社との関係についてお考えをお聞かせください
矢島 旅行会社が航空会社にもたらしてくれるのはビジネス的なことばかりではないと思っている。例えば、現在AAが力を入れているプレミアムエコノミーのセールスでは、情報発信の役割も果たしていただいている。ビジネストラベルの分野でも、旅行会社からAAを推薦していただくことも多い。旅行会社のフィルターを通じて発信していただきたいことはたくさんある。
また、MICEビジネスなど特定のセグメントも旅行会社抜きでは考えられない。それはホテルでも同じだ。航空会社としてもそういった旅行会社の役割をもっと認識すべきだろう。さらに、早期予約の獲得でも旅行会社の力は大きいし、最終的な間際予約でも助けてくれるのは旅行会社だ。お世話になる局面は相当あると思う。
-具体的にどのような関係を築いていくお考えですか
矢島 航空会社のレベニューやイールドマネジメントの観点からすると、たとえば、閑散期に団体を送り込んでくれる旅行会社は非常に大事。また、曜日の需要の変化に合わせた送客や、短距離路線への送客に力を入れていただける旅行会社もありがたい。そういった旅行会社に対しては、AAとして何らかのリターンは考えていきたい。
また、ホールセールのような旅行会社もあるが、そうしたなかで航空会社と共同歩調的な動きをしていただける会社をどのように大切にできるのか考えるときに、その先にいるB2Cの旅行会社の皆様にも喜んでいただけるような取り組みも考えていきたいと思っている。
-ありがとうございました