トップインタビュー:ジャルパック代表取締役社長の江利川宗光氏
「主戦場」のハワイで存在感発揮
若年層にもブランドをアピール
-今後の事業展開について、まずは海外旅行の注力ポイントをお聞かせください
江利川 海外旅行では、これからもウェブサイトによる販売が進んでいくなかで、ダイナミックパッケージ(DP)のシステムや品揃えなどに力を入れたい。企画商品についてはマーケットが大きく伸びるわけではないが、一定の顧客層は確実に存在するので、パッケージツアーならではの付加価値と魅力を提供することで「ジャルパックはやはりパッケージ」と思わせるように、しっかりと磨きたい。
来年春に全日空(NH)がA380型機を投入するハワイについては、JLもジャルパックも「主戦場」という意識を持っている。来年に向けて商品造成や仕入れの戦略を策定し直しているので、JLグループにおけるジャルパックの存在意義を発揮したい。また、キラウエア火山の噴火で需要が冷え込んでいるハワイ島についても、JLや他旅行会社と共同で需要回復に努める。
また、JLとハワイアン航空(HA)は共同事業(JV)を立ち上がる予定だが、すでに前期からHA便を利用する商品を造成している。今後も隣島などへの商品で差別化できるのではないだろうか。
-国内旅行と訪日旅行については
江利川 国内旅行もDPが強くなっているが、パッケージツアーは旅ナカなどでしっかりと付加価値をつけて提供する。例えば沖縄では、バスガイドが車内で三線を弾いて歌う「JALうたばす」が好評だ。沖縄はレンタカーで自由に回ることもできるが、パッケージツアーにはこのような価値を付けることができる。
訪日旅行については昨年にタイで、そして今年の夏からはオーストラリアで「JAL訪日ダイナミックパッケージ」の発売を開始した。成功モデルを作った上で、年内にはさらに1ヶ国を追加し、来年以降はさらに積極的に展開したい。マーケットはアジアと欧米が中心になるだろう。
日本と海外ではDPの販売方法は異なる。海外ではジャルパックのブランドだけで販売するのは難しく、現地のパートナー企業との協力が大切になってくるで、バンコクでは日系企業や現地企業との協業を進めているところだ。海外市場には潜在力があるので、訪日旅行をジャルパックの主要な柱として育てたい。