海外事故発生率、17年度は3.4%ーシニア層の高額事故発生率が65歳未満の約4倍

  • 2018年8月1日
保証項目事故発生割合の状況

 ジェイアイ傷害火災保険が7月31日に発表した「2017年度海外旅行保険事故データ」によると、17年度の事故発生率は前年比増減なしの3.4%となった。同社の保険加入者のうち、29人に1人が何らかの事故に遭遇したことになる。調査は1996年から実施しており、今年で23回目。事故の件数は開示していない。

 最も件数が多かった項目は、怪我や疾病の治療費用や搬送費用などを補償する「治療・救援費用」で2.4ポイント減の49.1%となり、前年を下回った。2位は手荷物の盗難や破損などを補償する「携行品損害」で1.0ポイント減の29.9%、3位は航空機の遅延や欠航、ロストバゲージなどを補償する「旅行事故緊急費用」で3.0ポイント増の16.7%となった。上位3位で全体の95.7%を占めており、順位は06年以降変わっていない。

 地域別では、欧州やアフリカは「携行品損害」、北米、アジア、オセアニアは「治療・救援費用」の割合が高く、中南米は「旅行事故緊急費用」が目立った。

 治療・救援費用の保険金支払いが1000万円を超えたケースは前年比1件増の8件で、最高額はアメリカのツアー中にバスの車内で発作を起こした加入者に支払った3588万円だった。300万円以上のケースは2件減の68件で、内訳は64歳以下が62%、65歳以上が38%。65歳以上の高額補償の発生率は64歳以下の約4倍という。

 なお、治療・救援費用の保険金額について無制限のプランを選択した保険加入者は、0.2ポイント減の45.7%。ただしインターネット契約や企業包括契約以外の、旅行会社の店舗などで保険に加入した場合に限ると、4.3ポイント増の74.6%が無制限プランを選択したという。

 同社では海外旅行での事故予防のため、さまざまなリスクへの対策を記載した「みんな安心BOOK」の提供を実施。旅行会社を通じて旅行者に配布するほか、同社のウェブサイトにPDF版を掲載している。