「一生に一度」の絶景、世界が憧れるスイス・ユングフラウ
ユングフラウ鉄道の一大プロジェクトもスタート
グリンデルワルトの裾野からアイガー、メンヒ、ユングフラウの3名山を見上げる圧倒的な景色は、スイスという国のイメージを象徴する光景になっている。麓には緑が広がり、中腹のグレーの岩肌は荒々しく、山頂付近は万年雪で白銀の世界。その上に青い空が広がり、降り注ぐ太陽がこの大パノラマを瑞々しく輝かせる。世界が憧れるこの絶景を身近なものにしてくれているのが、この地域で7つの路線を運行するユングフラウ鉄道だ。
操業125周年を迎えた「シーニゲ・プラッテ鉄道」
7つの運行路線のうちのひとつ、ヴィルダースヴィルと標高1967メートルのシーニゲ・プラッテを結ぶ「シーニゲ・プラッテ鉄道」は今年で操業125周年を迎えた。開業は1893年、日本の元号で言うと明治26年のことだ。電化されたのは約100年前。現在でも、当時の機関車と客車が現役で活躍している。25年間整備を担当しているザイラーさんは、「お金がないから新しい機関車を買うことができないんだよ」と笑うが、その表情にはこの鉄道への愛着と誇りが伺える。
頂上駅までは約50分。小さな機関車で客車を押しながら急峻な坂を登る姿はどこか健気で愛おしい。頂上からはユングフラフ3名山のパノラマが広がり、グリンデルワルトからの眺望とは違う景色を楽しむことができる。鉄道で往復するだけでなく、中間駅のブライトラウエネンで降車し、ハイキングを楽しむ人も多いようだ。この鉄道のオープン期間は夏期のみ(2018年は5月26日〜10月28日)。グループ向けに客車のチャーターも可能だ。
ユングフラウ最大のハイライト「ユングフラウ鉄道」
7つの路線の中でも代表的なルートが、クライネ・シャイデックからユングフラウヨッホまでを結ぶ「ユングフラウ鉄道」。アイガーとメンヒの中を7kmのトンネルが貫くこの路線は、16年に及ぶ難工事の末に1912年に開業した。ヨーロッパ最高峰の駅(標高3454m)はトップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれ、各種レストラン、スーベニアショップ、スイスの老舗チョコレート「リンツ」のテーマショップ、氷の洞窟「アイスパレス」、ユングフラウ鉄道の歴史が展示された「アルパイン・センセーション」などがあり、ユングフラウ観光最大のハイライトとなっている。
「スフィンクス展望台」からは、ユングフラウの頂上を見上げ、雪を被った連山と、その先の緑の裾野を見下ろす。屋外の「スノーファン」では、夏でも万年雪の上でスキー&スノーボード、スノーチュービング、ソリ、ジップラインなどのアクティビティを体験することも可能だ。スノーファンのオープン期間は5月初旬から10月中旬だが、トップ・オブ・ヨーロッパ自体は1年中オーブン。季節を問わず絶景を楽しむことができる。