18年上期の宿泊業倒産は9件減の38件、負債総額122億円
東京商工リサーチ(TSR)によると、2018年上期(1月〜6月)における負債総額1000万円以上の宿泊業の倒産件数が前年比9件減の38件となり、上半期では2015年以来3年ぶりに40件を割り込んだ。負債総額は114億1300万円減の122億7600万円とほぼ半減し、3年連続で前年同期を下回った。上半期の負債総額としても1998年以降の最少記録を更新した。
負債総額別では、1億円以上5億円未満が14件で26.3%減、5億円以上が9件で30.7%減となったのに対し、1億円未満は前年と同じ15件で、倒産の小規模化が進行している。
資本金別では、1000万円以上5000万円未満が18件で最も多く、100万円以上500万円未満が7件、1億円以上の発生がなく、5000万円以上1億円未満も3件で半減した。
形態別では「破産」が24件で63.2%を占めた。「特別清算」が7件、破産と合わせた「消滅型倒産」は81.6%を占め、前年同期より7.8ポイント低下した。主な倒産として、京都府の「たかた荘」が負債総額20億円で、石川県の「ディー・エス・ワイ」は負債総額13億円だった。
地区別では、中部が17件で、長野県が9件、北海道は発生がなく、近畿1件、九州3件だった。東日本大震災関連は2件発生した。
一方、6月単月の宿泊業の倒産件数は4件減の6件で、負債総額は21億9000万円増の43億3000万円となり、ともに3ヶ月ぶりに前年を上回った。負債総額別では、10億円以上が2件で全体の33.33%を占めた。最も金額が大きかったのは、埼玉県の「ホテルガーデンパレス」で12億2400万円。
倒産形態は、「再建型の民事再生法」が2件、「消滅型の破産」は2件、「特別清算」は1件だった。
18年上期の旅行業の倒産件数は2件減の13件で、負債総額は194億2700万円減の7億9300万円。6月単月の倒産件数は3件増の3件で、負債総額は2億1500万円減の2億1000万円だった。旅行業の詳細は別途記載(下記関連記事)。