南アフリカ、メディア活用で送客増加、各年代層へアプローチ

  • 2018年7月9日

(左から)アジア太平洋地域ハブヘッドに就任したモンスール・モハメッド氏、南ア観光省ツーリズム・サポート・プログラムチーフディレクターのバーナード・メイヤー氏、元アジア太平洋地区プレジデントのブラッドリー・ブラウワー氏  南アフリカ観光局は7月6日、東京で「トレードワークショップ2018」を開催した。サプライヤーを含む39社が出展し、300名を超える日本の旅行会社・メディアが参加した。

 セミナーでは、アジア太平洋地区プレジデントを務め、7月に本局のグローバルトレードヘッドに就任したブラッドリー・ブラウワー氏が17年度の活動を説明。南アフリカの旅行先としての魅力と渡航意欲の喚起を目的にメディア露出を強化しており、17年はテレビに40件、新聞・雑誌に71件、オンラインメディアに169件の露出があったという。

 こうした取り組みもあり、17年度の日本人旅行者数は前年比6.2%増の2万5802人に増加。18年度も引き続きメディア露出を強化する方針で、1億円規模の追加予算を日本市場に投下する予定だ。

 続いて、トレード・リレーションシップ・マネージャーの近藤由佳氏が、同局では幅広い年代へのアプローチを強めていることを説明。特に若年層やミドル世代に向け、デジタルメディアやソーシャルメディアの活用を推進する。

 すでに、メインユーザーが20代から40代の「トリッピース」や、35歳以上の「トラベルバリュー」、50代以上の「トラベルズー」とのコラボを実施。世界でも稀有な陸と海のサファリや自然の花畑「ナマクワランド」、ジャカランダ、ケープタウン、ワインなど、人気の高い観光素材を各メディアとその読者の特性に合わせた形で紹介した。

 特に若年層に対しては、「いくらあればどういう旅行ができるかという具体的なプランを示すことが大切。今でなくても来年には行ける環境を作っていただく」とし、今後のマーケティングに反映していく。

 一方、主要客層である60歳以上のシニア層は引き続きメインターゲットとして、最もリーチするテレビ露出をさらに強化。花などの季節の魅力を発信し、「シニアの方は『死ぬまでに一度行ってみたい』という考えの人が多いが、すぐに行っていただけるようにする」と方針を語った。

 このほかセミナーでは、今年の故ネルソン・マンデラ元大統領の生誕100周年にも言及。同局では国内に点在するマンデラ氏ゆかりの地100ヶ所を設定し、スマホアプリ「Madiba’s Journey App」で、同氏の偉業とともに南アフリカを知る観光を推進する。ブラウワー氏はマンデラ氏の数々の名言を紹介しながら、「100ヶ所のスポットはとても特別なもの。見るべき素晴らしいものが多くある」とアピールした。

 なお、セミナーでは南アフリカ共和国観光省のツーリズム・サポート・プログラムチーフディレクターのバーナード・メイヤー氏が、ブラウワー氏の後任として、アジア太平洋地域のハブヘッドに就任したモンスール・モハメッド氏を紹介した。モハメッド氏は、ドバイ政府観光・商務局やケープタウン市での観光デスティネーション開発や、マーケティングの経験を有する人物。今後は、ブラウワー氏が築いてきた日本との旅行業界との絆と協力体制をさらに強め、日本マーケットの拡大に尽力していく。