技術革新の波に乗る-「他力活用」で「ビジネス4.0」実現を
[バンコク発 松本裕一] トラベルポートは7月4日と5日、バンコクで「トラベルポートLIVE2018APAC」を開催した。アジア太平洋地域の顧客やパートナーを招いて旅行業界を取り巻く様々な課題を議論するとともに、自社のプロダクトやサービスについてアピールするもので、8回目の開催となる今年は全体で約400名が参加した。
2日間の取材を通じて頻出したキーワードは「インダストリー4.0」と「エコシステム」。いうまでもなく前者はIT技術などの発展によって旅行を含む様々な産業に変革が起きる、つまり第四次産業革命を意味するが、後者はトラベルポートが現在、マイクロソフト、IBM、そしてインドのタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)と手を組んでサービスなどの開発に取り組んでおり、このような外部企業を巻き込んだ「エコシステム」を構築することでこそインダストリー4.0の時代を乗り越えられるという趣旨。
開幕の挨拶に立ったトラベルポートアジア太平洋地区マネージング・ディレクターのマーク・ミーハン氏は、ソフトバンクグループの孫正義氏の発言を引用して「現状にとらわれず、今より上へ、今より先を考えなければならない。時代に縛られず時代を作ることが重要」と語り、「未来を予測する最良の手段は、自らそれを作ること」であると強調。
そして、そのためにはますますスピードを増す環境の変化に対応し、「先進的」かつ「革新的」、さらに「これまで以上にダイナミックで柔軟」であることが求められているとし、「もはや1社のみで対応できる状況ではない。パートナーとともにエコシステムを構築しなければならない」と訴えた。
一方、トラベルポートで「チーフアーキテクト」を務めるマイク・クラウチャー氏は、例えばAmazonはグローバルで存在感の大きなプラットフォームでありながら、中小企業がそれを活用することによってユニークな商品を販売可能であると指摘。小規模なブランドが好まれる現代において、逆にビジネスチャンスになるとの考えを示した。
▽「インダストリー4.0=ビジネス4.0」、自前主義からの脱却を