NSKがNDCセミナー開催-旅行者との関係強化に活用へ
日本システム開発(NSK)は6月27日、都内で旅行会社などを対象に「NDCの普及とサービスの多様化~NDCがもたらすものは一体何なのか~」と題したセミナーを開催した。同社がセミナーを開催するのは2年ぶり。セミナーでは講師として登壇したフォーカスライトJapan日本代表の牛場春夫氏が、欧米を中心とした航空会社が、国際航空運送協会(IATA)が普及をめざす新規格「NDC(New Distribution Capability)」を積極的に導入していることを説明した。
牛場氏によれば、IATAは2020年までに、大手航空会社20社の売上高の20%をNDC利用にすることを目標にしているところ。「IATAは20年にはNDCの利用が爆発的に伸び、航空業界の50%以上がNDCを利用した取引になると考えている」との見方を示した。
旅行会社に対しては「NDCは過剰に騒がれているが、これからの話。とはいえ見過ごしてはいけない潜在力を持っている」と語り、「NDCでどのようなマーケティングを展開し、お客様との関係をいかに強化するのかが重要」と話した。このほか、同氏は「20年以降の話」としながらも、IATAがNDCを補完するプログラムとして、eチケット、EMDなどを1つの顧客記録にまとめる「One Order」プロジェクトに取り組んでいることも紹介した。
このほか、同氏はFSCがGDS経由の流通コストを削減してLCCに対抗するため、NDCを利用していることを紹介。「FSCはネットワークキャリアなので、インターライン間、旅行会社間をNDCという共通の規格で繋げる必要がある」と語った。LCCについては「ポイント・トゥ・ポイントのビジネスなので、今はNDCを必要としない」としながらも、アライアンスを設立し、GDS経由で航空券を販売するなどサービスを強化していることから、将来的にはLCCがNDCを利用する可能性があるとした。
なお、セミナーではNSKが今年から販売を開始した旅行業顧客管理システム「Tabie(タビエ)」を紹介。同社のNDCの活用については、代表取締役社長の亀井政之氏が本誌の取材に応え、「NDCでシステムの開発はしないが、NDCを使うお客様のサポートができるようなサービスを検討している」と話した。