アウト促進協、今年度は新たに米大陸30選・韓国20選-総会
日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会は6月25日、2018年度の第1回全体会議を開催し、セミナーの開催強化などを軸とする18年度の活動計画について発表した。各地域部会においては、昨年度に東アジア部会が選定した「世界遺産級 台湾30選」に倣い、新たに北中南米部会が「アメリカ大陸 記憶に残る風景30選」(仮称)、東アジア部会が「韓国絶品!20選」(仮称)を策定することも明らかにした。
冒頭で挨拶したJATA副会長で同協議会会長の菊間潤吾氏は、17年の出国者数が1789万人に上り、今年も堅調に推移していることから、通年では1850万人あるいは1900万人の達成も可能と考えていることを説明。一方で、依然として日本の出国率が低い水準にあることも指摘し、特に若年層のパスポート取得率向上が、同協議会が目標とする20年の出国者数2000万人の達成にとって肝要との見方を示した。
来賓として挨拶した観光庁審議官の瓦林康人氏は、同庁が好調に増加する訪日外国人旅行者数と、伸び悩む出国者数の不均衡を問題視していることを説明。「諸外国との関係構築のためにもアウトバウンドの振興は必要」と述べ、昨年には「若者のアウトバウンド活性化に関する検討会」を立ち上げ、近日中に報告書を発表することを報告した。挨拶の最後では「庁としても、諸外国と遜色ないアウトバウンドのマーケティングを考えている」と伝えた。
今年度のアウトバウンド促進協議会は出国者数の目標として1860万人を掲げ、「プランナーのためのセミナー」の開催件数を昨年の約2.5倍の33回に増やす予定。そのほか、旅行会社向けの研修旅行や、地方開催を含む一般向けの「海外教養講座」、大学の文化祭でのワークショップ、教職員向けの海外教育旅行セミナーなどにも引き続き注力する。
また、旅行会社と航空会社のさらなる連携強化に向け、航空会社へのインタビュー取材を実施し、同協議会のウェブサイトとJATA会報誌「じゃたこみ」に掲載するプロジェクトを開始する。第1回はターキッシュエアラインズ(TK)日本支社長のメフメット・アカイ氏で、将来的には航空会社に関する情報プラットフォームを構築する計画という。
そのほか欧州部会、中近東・アフリカ部会、オセアニア・大洋州部会、北中南米部会、アジア部会、東アジア部会の各地域部会は、昨年度の活動実績と、今年度の活動方針などについて発表。「アメリカ大陸 記憶に残る風景30選」は視覚に訴える魅力的な風景を北米・中南米・カリブ海から選んで訴求するプロジェクトで、「韓国絶品!20選」ではその土地ならではの食を軸に、韓国内の20ヶ所をアピールする。ラインナップはともに9月の「ツーリズムEXPOジャパン2018」で発表する予定で、各社の19年度上期の商品企画につなげる。