4月の宿泊業倒産は7件減の4件、負債総額は9.8億円
東京商工リサーチ(TSR)によると、今年4月の宿泊業の倒産件数は前年比7件減の4件だった。負債総額は81.1%減の9億8200万円と大幅に減少し、4ヶ月ぶりに前年を下回った。4件は単月では1月の6件を下回り、今年最少となった。
負債額別では4件のうち5億円以上が1件、1億円以上5億円未満が1件だった。負債総額が最も大きかったのは宮城県気仙沼市のホテル望洋舘で、負債総額は約7億円だった。
同社は1964年に設立し「ホテル望洋」を運営。観光客以外にも市民を中心に結婚式や宴会などで利用され、1991年2月期の売上高は約7億6500万円に上った。しかし、その後は観光需要の落ち込みや施設の老朽化などで収益が悪化。東日本大震災では避難所として貢献し、復興支援で一時的に売上が回復したものの、ホテル周辺の復旧が進んで宿泊需要が落ち着いたことなどにより売上は再び減少した。事業継続のための老朽化した施設の改修費用が賄えず、2017年3月で営業を終了した。
倒産の原因別では「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が3件、「販売不振」が1件だった。
なお、4月の旅行業の倒産はなかった。詳細は別途記載(下記関連記事)。