観光6団体がハッピーマンデーの維持主張、ANA・JAL・JR東も
日本旅行業協会(JATA)など旅行・観光関連の業界6団体は5月10日、都内で記者会見を開催し、ハッピーマンデー制度の維持を訴えた。祝日の一部を月曜日に移し、土・日曜日と合わせて3連休化する同制度については、2020年の東京五輪の開会式と閉会式の前後における交通の混雑緩和などのため、7月第3月曜日の「海の日」、8月11日の「山の日」、10月第2月曜日の「体育の日」を同年に限り移動させる検討が進んでいるが、あわせて21年以降の海の日などの固定化に向けた動きが見られることを受け、改めて維持を訴える。
海の日については近年、一部の超党派議連などが「本来の意義を周知させる」として7月20日に再固定化することを検討しており、昨春に法案提出の動きがあった際も、JATAなどは観光に関わる国会議員80名に同制度の維持を要望している。今回も自民党の観光立国調査会などに働きかける考え。
この日の記者会見には、JATA会長の田川博己氏に加えて、全国旅行業協会(ANTA)、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟、日本旅館協会、日本観光振興協会から専務理事などの役員が出席。加えて、全日空(NH)、日本航空(JL)、東日本旅客鉄道(JR東)からも旅行・観光関連の担当者が出席した。
各団体の会長(ANTAのみ自民党幹事長を務める二階俊博氏ではなく副会長)による連名で発表した声明では、祝日3連休は地方創生に資する送客の機会として重要であること、貴重な3連休の分断は働き方改革の流れに反することを指摘。あわせて、同制度は653万人の署名と47都道府県の849自治体の採択により導入された「国民運動」の賜物であり、20年間にわたり広く支持を得ていることを強調した。また、海の日を3連休化するだけで、2000億円の経済効果が生まれるとの試算も示した。
声明の趣旨について説明した田川氏は「観光関係者は東京五輪の成功に向けてあらゆる努力を払う必要があり、祝日の移動についても大いに賛成するが、そのことと翌年以降の固定化することは別問題」と主張。国民の各休日に対する理解度向上に向けては、観光業界も広報活動や商品造成などにより協力する考えを示した上で、「是非とも皆様のご理解をいただきたい」と呼びかけた。
また「休暇が1泊2日から2泊3日に伸びれば、海外への旅行が大きく増える。政府も自民党も御存知のはず」と強調。NHマーケティング室観光アクション部部長の藤崎良一氏も、3連休により利用者が増加し、長距離の旅行が促進されるメリットについて語った。