ANAHD、17年度は売上2兆円目前に、純利1438億円
ANAホールディングス(ANAHD)は4月27日、2018年3月期(17年4月1日~18年3月31日)の通期連結業績を発表した。売上高は前年比11.7%増の1兆9717億9900万円、営業利益は13.0%増の1645億1600万円、経常利益は14.4%増の1606億3600万円、純利益は45.6%増の1438億8700万円。国際線旅客事業などが好調に推移したほか、今期からピーチ・アビエーション(MM)を連結子会社化したことなどもあり、各利益はいずれも3期連続で過去最高を記録した。営業費用は11.6%増の1兆8072億円だった。
航空事業の売上高は12.7%増の1兆7311億円、営業利益は12.4%増の1568億円。このうち国際線の旅客収入は15.6%増の5974億円で、旅客数は6.8%増の約974万人だった。座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は7.0%増、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は7.7%増で、利用率は0.5ポイント増の76.3%。ネットワークの拡充に伴い、日本発のビジネス需要が好調に推移しているほか、急増する訪日外国人旅行者を取り込み、単価は8.2%増加したという。
国内線の旅客数は2.8%増の約4415万9245人で、旅客収入は1.7%増の6897億円。ASKが1.1%減だったところ、RPKは3.3%増となり、利用率は2.9ポイント増の68.9%となった。台風や降雪などの影響を受けたものの、各種割引運賃の設定に加えて、国際線と同様に訪日外国人旅行者を取り込んだ。
マイレージや整備、バニラエア(JW)、MM、機内販売などの各種収入で構成する航空事業の「その他の収入」は、36.9%増の2859億円。このうちJWの売上高は329億円、営業利益は8億円だった。旅客数は25.7%増の267万7000人で、ASKが18.0%増、RPKが17.6%増となった結果、利用率は0.3ポイント減の85.5%に。MMの売上高は546億円、営業利益は59億円で、旅客数は512万人、利用率は86.9%だった。
旅行事業は売上高が0.9%減の1592億円で、営業利益は前年並みの37億円。主力商品の「ANAスカイホリデー」で関東や沖縄が伸び悩んだこと、ダイナミックパッケージの「旅作」で間際の集客が伸び悩んだことなどが影響したという。このほか、空港の地上支援業務などの「航空関連事業」の売上高は7.5%増の2843億円で、営業利益は27.7%増の106億円。商社事業は売上高が4.6%増の1430億円、営業利益は4.6%増の45億円だった。
18年度の通期業績予想については、売上高は3.4%増の2兆400億円、営業利益は0.3%増の1650億円、経常利益は2.1%減の1580億円、純利益は29.2%減の1020億円を見込む。18年度については「経営の基盤固めの年」とする考えで、減益要因は「安全およびサービスの向上に向けた人への投資や外部委託」や、整備費の増加、JWとMMの統合に伴う出費など。