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JATA、今年も経営フォーラム開催、若者や人材など4分科会

  • 2018年2月26日

会場の様子  日本旅行業協会(JATA)は2月26日、今年で26回目となる「JATA経営フォーラム」を開催した。会員企業および他業界企業の経営陣や有識者などを招き、旅行業界が抱える課題について議論するために毎年開催しているもので、今回のテーマは「旅行業の『新しいカタチ』の追求! -旅行業の役割とは-」。恒例の会員企業のトップなどによる分科会は、若者向けの商品開発など4つの課題について実施した。来場者数は約320名に上った。

田川氏 分科会は「若者の心がつかめますか?~若者の趣向から読み解く商品開発~」「人材争奪戦時代の旅行業界の人財戦略とは? ~若手社員、女性社員の活躍と共創に向けて~」「新しい時代のインバウンドビジネスを考える ~地方創生に寄与するインバウンドビジネス~」「経営者が意識すべき情報セキュリティ:サイバー空間における現実を踏まえた対応方法とは?」の4つ。開会の挨拶を務めたJATA会長の田川博己氏は「ビジネスを見つめ直す施策となるようなプログラム構成とした」と述べ、「本日の経営フォーラムが有意義なものとなってほしい」と祈念した。

田村氏  来賓として挨拶した観光庁長官の田村明比古氏は、冒頭で「今年のテーマを見て思ったのは、旅行業界が10数年来問われ続けてきたこと」と発言。日本人の旅行における興味が食などに偏っている状況について言及した上で、「日本人が旅行に対して持っている固定観念を打ち破る努力がまだまだ不足している」と指摘し、旅行業界に奮起を促した。また、労働生産性を高める努力についても求め、「旅行業界で経営改革が進み、付加価値の高いサービスが提供されるようになることが観光産業全体のレベルアップに必要不可欠」と呼びかけた。

和田氏  4つの分科会のうち「経営者が意識すべき情報セキュリティ」では、情報セキュリティ専門のコンサルティング会社であるグローバルセキュリティエキスパートからサイバーセキュリティ事業部コンサルティング本部コンサルティング第二部部長の和田直樹氏が講演。サイバー攻撃に対して必要なものとして、全社教育や訓練、情報資産の棚卸しとアセスメント、対応チームの設置などによる「事前準備」を挙げ、コスト低減に向けては外部の専門業者の活用も有効であることを説明した。

原田氏の講演  この日はそのほか、早稲田大学スポーツ科学学術院教授で日本スポーツツーリズム推進機構会長も務める原田宗彦氏が「スポーツを通じたビジネスの価値創造:旅行業界のブルーオーシャン戦略」と題した基調講演を実施。「隠れた資源」であるスポーツを旅行商品化して、新たな旅の目的と需要を創出する必要性を強調した。また、長野県のビール醸造会社のヤッホーブルーイングから代表取締役社長の井手直行氏が講師として登壇し「よなよなエール流 熱狂的差別化戦略 ~8年連続赤字から12年連続増収増益までの軌跡~ 」と題した特別講演をおこなった。

※分科会の詳細は後日掲載予定