JALグ、3Qも好調、増収増益を継続-通期予想は変更せず

  • 2018年1月31日

斉藤氏(手前)  JALグループは1月31日、2018年3月期第3四半期(17年4月1日~12月31日)の連結業績を発表した。売上高は前年比7.2%増の1兆460億5400万円、営業利益は5.8%増の1452億3300万円、経常利益は4.5%増の1421億9700万円、純利益は5.4%増の1141億2500万円で、第1・第2四半期に続く増収増益。営業費用は整備費の増加などで7.5%増の約9008億円、営業利益率は0.2ポイント減の13.9%だった。

 国際線の旅客収入は10.2%増の3464億円で、有償旅客数は1.5%増の637万3000人。日本人を中心にビジネス需要が好調で、第3四半期は中国や東南アジアなどからの訪日需要も好調だったという。座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は1.6%増、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は2.8%増で、有償座席利用率は1.0ポイント増の80.8%。単価は8.6%増の5万4355円、イールドは7.1%増の11.0円、ユニットレベニューは8.4%増の8.9円だった。

 同日に開催した記者会見で、日本航空(JL)取締役専務執行役員財務・経理本部長の斉藤典和氏は、9月に開設した成田/メルボルン、コナ線について「出だしは好調で、計画を上回る勢い」とコメント。利用率はメルボルン線が8割以上、コナ線が7割で、このほか冬ダイヤで増便した羽田/ロンドン(ヒースロー)線の夜便の利用率も7割を超えているという。

 国内線の旅客収入は4.6%増の3985億円で、有償旅客数は5.3%増の2591万9000人。割引運賃の利用増で単価が下がったものの、旅客数がFITを中心に好調に推移。WiFiの無料化による利用者増、九州地震からの回復による団体の増加などもあり、ともに前年を上回った。ASKは0.6%増、RPKは5.3%増で、有償座席利用率は3.2ポイント増の72.5%。単価は0.6%減の1万5376円、イールドは0.6%減の20.4円、ユニットレベニューは4.0%増の14.8円だった。

 なお、昨年10月末に上方修正した連結業績予想は据え置き、引き続き売上高1兆3660億円、営業利益1660億円、経常利益1580億円、純利益1210億円をめざすとした。第4四半期でエンジン整備関連の費用増が見込まれることや、燃油費の上昇などを考慮した。斉藤氏は「営業利益は目標を達成できると思う。残り2ヶ月で前年の1703億円を超えるよう努力したい」と話した。

 斉藤氏はそのほか、昨年12月に超音速機を開発する米国のベンチャー企業のBOOM TECHNOLOGYと資本・業務提携し、1000万米ドルの資金を提供して客席などの仕様、機材の整備、品質保持などで協力することについて説明。東京/サンフランシスコ間を5時間半で結ぶ超音速機について「実現可能性は高く、23年に当局の承認を得て就航すると聞いている」と語った。JLは20機の優先発注権を得ている。