16年邦人援護は3%増の1万8566件、過去10年で最多-外務省

  • 2017年12月12日

 外務省はこのほど、2016年の海外邦人援護統計を公表した。在外公館などが海外でトラブルに遭遇した日本人を援護した件数と人数を集計したもので、総援護件数は前年比3.07%増の1万8566件で過去10年間では最多。総援護人数は0.25%増の2万437人で過去10年間では2番目に多かった。16年の海外出国者数は1711万6420人のうち、0.12%が援護されたことになる。

 項目別では「事故・災害」は240件・319人で、そのうち4割超の110件・140人が交通機関の事故に関するもの。次いで多かったのは「レジャー・スポーツ事故」の44件・55人だった。

 最も多かった「犯罪被害」は4202件・4409人で全体の2割超。最多は「窃盗被害」の3416件・3576人で、以下は「詐欺」が308件・309人、「強盗・強奪」が233件・252人と続いた。殺人やテロなどによる死亡者の総数は17人だった。

 「犯罪加害」は378件・404人で、主なものは「出入国・査証関係犯罪」の88件・93人、「傷害や暴行」の42件・44人、「道路交通法違反」の33件・31人、「麻薬犯罪」の32件・37人など。

 総死亡者数は5.44%減の504人で過去10年間では最少。「傷病」による死亡が384人で全体の8割近くを占め、次いで「自殺」による死亡者数が42人と1割強を占めた。負傷者数は3.05%減の308人で、こちらも過去10年間では最少。10年前の07年の610人と比較すると、約半数にまで減少した。

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