LCCトラベルが事業停止、ANTAが弁済認証受付開始
東京商工リサーチ(TSR)によると、東京の第2種旅行業のLCCトラベルは12月4日までに事業を停止し、債権整理を弁護士に一任した。負債額は現在調査中。同社は全国旅行業協会(ANTA)の会員で、ANTAは同日午後から弁済業務保証金制度の認証申出の受付を開始。弁済限度額は1100万円で、負債額が不明なため、現時点では全額保証になるか否かは未定という。
同社は2013年4月に設立し、同年7月にANTAに入会。TSRによれば資本金は900万円で、国内の格安航空券の販売を主に手がけていた。14年3月期の売上高は1億6345万円だったが、その後は競争の激化や航空会社の直販化の動きなどの影響で赤字を計上。債務超過に陥り、資金繰りも圧迫したことなどから事業停止に至った。
LCCトラベルは同日付でウェブサイトに「廃業のお知らせ」を掲載。「諸般の事情による債務超過により廃業する」と説明しており、すでに発券済みの航空券については、「航空券発券業者による解約処理が見込まれる」ことから、航空会社に予約の有無を確認するよう案内している。旅行者が発券の連絡を受け取っていない場合は、予約が無効になることを説明。支払済の旅行代金については、ANTAの弁済制度を利用するよう案内している。
ANTAによれば、LCCトラベルからは12月1日夜に事業を停止する連絡があり、4日の午後から弁護士が債権者に連絡を開始。まだ廃業はしておらず、今後破産手続きを進めていく中で旅行業登録を返上する見通し。債権者などからは、同日17時時点で2、3件の問い合わせがあったという。