ケアンズ送客増へ、州観光局など注力、メディア露出はかる

  • 2017年11月22日

(左から)坂本氏、サマーズ氏、クリスタルブルック・コレクション・グループ・ディレクターのカイリー・ブラジャック氏 クイーンズランド州政府観光局は11月22日、東京でプレスセミナーを開催した。特にケアンズとグレートバリアリーフ(GBR)に焦点を当てたもので、トロピカル・ノースクイーンズランド観光局(ケアンズ観光局)セールス&マーケティング・マネージャー・ジャパンの坂本統氏も同席。セミナーの冒頭、クイーンズランド州政府観光局日本局長のポール・サマーズ氏は、「ケアンズに関するPRやメディア露出を強化したい。サンゴ礁の白化現象についても伝えたい情報がある」と語り、情報発信に力を入れていく方針を示した。

 会場には一般メディアも多く集まり、セミナーではクイーンズランド州について、面積が日本の国土の約5倍ながら人口は420万人であるなど基礎的な情報のほか、日本からの直行便の状況や渡航者数、旅行消費額の推移などを説明。また、旅行会社向けのFAMツアーやマリンダイビングフェアへの出展などの活動についても紹介し、2018年度のプロモーション方針(関連記事)も示した。

 ケアンズへの送客促進については、初めて実施したというOTAとの共同キャンペーンを今年の施策として例示したほか、18年も旅行大手各社のオンライン販促サポートや、ジェットスター航空(JQ)やアジア系航空会社との協働によるセミナーやFAMツアーなどを実施すると説明。また、近くメディア向けのFAMツアーも実施する計画という。

 また、GBRにおけるサンゴ礁の白化現象についてサマーズ氏は、「大きなチャレンジに直面している」と認めつつ、GBRのみに限られた局地的な問題ではなく、沖縄やハワイなど世界中で起きていることであると指摘。その上で、GBRは官民それぞれの団体に見守られた「世界一管理のされたサンゴ礁」であると訴えた。

 一方、坂本氏はケアンズの最新情報として、直近12ヶ月に旅行会社経由でケアンズを訪れた日本人旅行者数が15年度比で18.6%増の8万3000人と増え、FITはさらに33.3%増の2万7000人と大きな伸びを見せており、合わせて直行便座席数が4.3%増となるなど好調に推移していることを紹介。

 また、この9月19日に開業したばかりの「ケアンズ・アクアリウム」や、今後3年間にケアンズ周辺だけで5ヶ所に高級宿泊施設を開発する計画の「クリスタル・ブルック・コレクション」についても説明。

 クリスタルブルック・コレクションはドバイ資本の企業で、18年8月にエスプラネード通り沿いに311室の「ライリー」、19年中頃にアボット通り沿いに220室の「ベイリー」、20年上期にエスプラネード通り沿いに311室の「フリン」を開業する計画。これにより、貸切利用も可能なルーフトップバーなどのベニューも増えていくという。

 このほか、20年中頃にはポートダグラスで125室の「クリスタルブルック・スーパー・ヨット・マリーナ」のオープンも予定。アウトバックに5棟のみの高級ロッジを構える「クリスタルブルック・ロッジ」はすでに営業を開始済みだ。