南アフリカ観光大臣とJATA会長が対談‐今後のアウトバウンドと旅行業の女性活躍とは[PR]
認知度向上に向け両国で協力を
観光業で働く女性の連携も視野に
「ツーリズムEXPOジャパン2017」(9月21〜24日)の開催に合わせて来日した南アフリカのトコジレ・カーサ観光大臣が、日本旅行業協会(JATA)を表敬訪問し、田川博己会長と対談を行った。日本を「重要なマーケット」と位置付けるカーサ大臣に対し、田川会長も南アフリカを含むアフリカを「日本人の渡航先として潜在力のあるデスティネーション」とし、今後、情報共有や南アフリカの認知度向上に向け、両国で連携していく考えを確認した。
潜在性の高い南アフリカ
エコツーリズムにも期待
−日本と南アフリカ、両国の観光業にとって、互いの国はどのような位置付けでしょうか。
カーサ大臣:2016年、日本から南アフリカへの訪問者数は前年比27.7%増の2万5802万人を記録しました。日本は、貿易、観光両面において非常に大切なマーケットです。今回、南アフリカ観光局CEOシサ・ンツォーナを含む代表団で来日したことでも、われわれが日本を重視していることはご理解いただけることでしょう。われわれは日本人が旅に快適さを求めていることを理解しています。来日を機に、日本人旅行者のニーズを知るとともに、われわれが何を提供できるのかを日本の皆様に積極的に伝えたいと考えています。
田川会長:日本にお越しいただき、ありがとうございます。日本人の海外渡航者数は、2012年の1849万人をピークに減少傾向にありましたが、15年から上向きに転じ、16年には1700万人台に回復しました。ただ、その中身には変化が起きています。近隣アジアからLCCで訪れる旅行者の増加に伴い日本人の海外旅行もショートホール化が進み、旅行会社を経由しないFIT旅行者も増えています。海外旅行の需要増という意味ではよい傾向とも捉えられますが、今後はロングホールの増加にも期待したい。消費者が旅に求めるものも変化しています。単なる物見遊山ではなく、非日常を強く求める傾向が強くなっています。
アフリカや中近東に関しては、マーケットとしてはまだ小さいですが、今後伸びるポテンシャルが高いデスティネーションと考えています。日本人がまだあまり行っていない場所が多くあり、非日常の要素も強い。特にエコツーリズムは世界的に大きな流れになっており、今後、旅行の主流になっていくでしょう。JATAでは、旅行会社の価値や存在意義をアピールすべく添乗員付きツアーを推進しています。アフリカや中近東などは個人旅行よりこうしたツアーのほうが行きやすいはずで、こうした意味からも南アフリカには大変期待しています。
カーサ大臣:ありがとうございます。南アフリカは、日本のような遠方からでも訪れる価値のあるデスティネーションであると自負しています。アフリカ諸国の中でもサービスの質が高く、テクノロジーも発達しています。いわばアフリカにおける先進国であり、アフリカ旅行の入り口として日本人に最適な国といえるでしょう。また、世界で3番目に多様な生物相を有する国でもあり、エコツーリズムの素材も豊富です。
一方で、日本からの長距離デスティネーションとして、南アフリカ1国だけでなく周辺の国を含めた南部アフリカ周遊旅行の提案が必要であることも理解しており、近隣諸国との協力関係の構築や、ツアーガイドの育成にも力を入れています。