週間ランキング、オペレーターの実情が1位、クルーズ関連も複数

[総評] 今週の1位は、日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)が実施した会員の実態調査の結果についての記事でした。いつも書いていますが、旅行業界誌として多くの読者の皆様に読まれるべき記事が上位に来ると嬉しく思い、自信にも思います。

 調査結果についての詳細は記事をご覧いただくとして、旅行会社との取引環境についてシンプルに表現するならば「改善しつつも道半ば」でしょうか。下請法の部分は、相変わらず立場の優位を笠に着る事例があるようで残念でなりません。

 下請け側すら下請法に抵触していると思っていないケースもあるようで悪弊というかなんというかですが、これが見逃されてしまっては真面目に取り組んでいる会社が馬鹿を見ます。ルールがどうしても守られない時は、ルールが間違っているかルールを守るべき主体がそれをできる能力を有していないかのどちらかでしょう。

 万が一にも「これくらいは必要悪」といった考えがはびこっているとすると、旅行業界に下請法を守る能力がないことになります。ルールが間違っているならば是正を求めれば良いわけで、公然と主張できないのはやましさがあるからです。悪を悪と認識して続けるならまだしも「必要悪」などとごまかすのは、少なくとも旅行業界の未来には何のメリットもありません。そういった事例があった際には、「下請けかけこみ寺」などもありますので是が非でも相談していただきたいと思います。

 一方で、「法を守る能力がない」かもしれない理由の一つは経営的な余裕のなさでしょうから、エコシステム全体で利益確保がしやすい環境の構築ができないかとも考えてしまいます。今度は独禁法が出てきてしまうのでしょうけれども、例えば相談料金徴収の徹底などに足並みをそろえて取り組めれば消費者の意識も変わるのではないでしょうか。

 先日ある大手旅行会社の方とお話していて、その会社は店舗展開もされているのですが、店頭に来たお客様が他社のパンレットを持ってきてその旅程についての意見を求め、実際の旅行は自分でインターネットで手配するとのたまう、という話をお聞きしました。無茶苦茶な話に驚いてしまいましたが、そのお客様がそれでもパンフレットや店舗に何らかの価値を見出したことは事実であり、逆から見れば何かしらのヒントになるようにも感じた次第です。

 さて、今週はクルーズ関連で気になる記事の多い1週間でもありました。5位はプリンセス・クルーズの乗船体験ですが、ランク外でもジャパネットがMSCクルーズの客船によるチャータークルーズを初実施(リンク)したほか、KDDIに子会社化されたLoco Partnersの「Relux」がクルーズ商品の取り扱いを開始しています(リンク)。

 特にReluxは高級宿泊予約サイトとして運営されてきており違和感といえば違和感があるのですが、見方を変えると例えばどこにも寄港しないワンナイトクルーズは海に浮かぶ宿泊施設ということもでき、実際に海外ではそういった形で活用されているケースもあると聞きます。

 こうしたクルーズ市場の多様化は、2013年に外国船社として初めて日本発着定期クルーズを始めたプリンセス・クルーズの功績が大きいでしょう。個人的にはなかなか長い休みが取りにくいためまだ日本発着のクルーズに乗船したことはありませんが、最近では乗船と下船の港を別にすることで短い日数で参加できる「インターポーティング」の工夫も進んでおり、近いうちに体験できれば良いと考えています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年10月13日0時~10月20日13時)
第1位
OTOA、6年ぶりに会員調査-旅行会社に「コンプラ徹底を」(17/10/17)

第2位
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第4位
ラオス、日本線開設で訪問者増へ-18年就航予定(17/10/19)

第5位
5年目のダイヤモンド・プリンセス、日本発着クルーズ(17/10/18)

第6位
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第7位
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第8位
エアアジアJ、10月末から中部/新千歳線-台北は18年以降(17/10/16)

第9位
リゾートトラスト、「カハラ」を世界展開、まずは20年に横浜(17/10/17)

第10位
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