現地レポート:JAL就航を機に知るメルボルンの魅力、近郊も
成田から豪州第2の都市に直行便
新たなツアー造成の可能性を探る
日本航空(JL)、オーストラリア政府観光局(TA)、ビクトリア州政府観光局は9月、共同でメルボルンとその周辺を訪れるファムツアーを実施した。9月1日にJLが成田/メルボルン線を開設したことを機に、JLは日本人観光客の取り込みを、両観光局はオーストラリア第2の都市の魅力を改めて訴求し、訪問者数の増加をめざす。一般向けメディアと旅行会社の2グループに各10名程度が参加したうち、本誌は旅行会社のグループに同行して、市内の定番観光スポットから、今後のツアー造成に資すると考えられる近郊の知られざる観光資源までを取材した。
1日目はほぼ機内も、快適さで高評価
「日系就航のインパクト大きい」
デイリーで運航している同路線の成田発便の運航スケジュールは、朝の10時半に出発してメルボルンには約10時間半後の22時頃に到着。ツアーの1日目はほとんどの時間を機内で過ごし、夕食も機内で済ませてホテルに着いたらほどなく就寝、という流れとなる。メルボルンは日本のほぼ真南に位置しており時差がほとんどないため、1日目に無理をせず、2日目から万全の状態で観光を開始できるこのスケジュールについては、参加者から概ね好意的な意見が聞かれた。一方、帰国便はメルボルンを深夜の0時頃に出発して午前9時頃に到着するスケジュールで、最終日は丸1日を有効に使うことができる。
使用機材は、身体への負担が少ないとされるB787-8型機で、搭載している「JAL SKY SUITE」は足元などのスペースも広い。なお、同社は9月から国際線のプレミアムエコノミークラスとエコノミークラスで、若手料理人によるコンテスト「RED U-35」のファイナリストが監修した新たな機内食を提供。これまでの和食と洋食に加えて、中華も導入するなど「新たな挑戦」(JL社長の植木氏)に取り組んでいるところで、JL便に乗り慣れた利用者にとっても楽しみとなるだろう。昨年に提供を再開した夕食の「AIR吉野家」も搭乗客から好評を博していた。
旅行会社の参加者も快適さやサービスに関しては高く評価し、ある人は「やはり日系航空会社が直行便を開設したインパクトは大きい」とコメント。しかし業務渡航需要の獲得も重視する同路線の座席構成は、ビジネスクラス38席、プレミアムエコノミークラス35席、エコノミークラス88席とエコノミークラスの割合が半分程度にとどまるため、「すでに座席の取りにくい時期が出てきている。仕入れは厳しくなるかもしれない」といった意見も聞かれた。JLによれば、今後の需要の動向次第では、機材の大型化などを検討する可能性もあるという。
なお、JLにとって成田/メルボルン線は成田/シドニー線に続く2つ目のオーストラリア路線。シドニー線の成田発便は夕方に出発して朝に到着し、シドニー発便は朝に出発して夕方に到着するスケジュールで運航しているため、2路線を組み合わせることで旅行会社はツアー造成の幅が広がる。