タヒチ、文化など多様性アピール、業界重視でセミナー開催
タヒチ観光局は10月3日、東京でセミナーとワークショップを開催した。現地サプライヤー約20名と日本市場のバイヤー約100名が参加したもので、6日には名古屋でも同様のイベントを開催する。
ワークショップ会場で本誌取材に応じた本局COOのジーナ・バントン氏は、日本人訪問者数が2016年は前年比6.4%増の1万2174人となり、17年も上半期は堅調に推移していると日本市場の現状を紹介。その上で、リーマンショック以前は2万4000人規模であったことを念頭に更なる回復へ期待を示しつつ、「我々は持続可能な成長を最重視している」と語り、着実なプロモーション活動を通して市場の拡大に取り組んでいく方針を示した。
日本市場の動向としては、かつては訪問者の大半を占めていたハネムーナーが全体の5割程度までシェアを下げ、代わりにシニアやファミリー、女性同士、タヒチアンダンスなどのSITが増加。これと並行して、これも訪問先として一極集中していたボラボラ島からの分散が進んでいる。
本局としても現在は「ダイバーシティ」をテーマにプロモーションを進めており、モルディブなどの競合デスティネーションに比べて、先ごろに世界遺産認定された「タプタプアテアのマラエ」を含めた文化や歴史、あるいはアクティビティなどの多様性を強みとして打ち出しているところ。こうした中で、日本市場については現在の動向を維持し伸ばしていく取り組みをしていく考えだ。
例えばSITは、日本支局COOを務める森啓三郎氏によると年間1000人程度だが、それでも全体の1割を占める規模にまで成長したところ。こうしたセグメントへの活動がコアターゲットであるハネムーナーなどにも好影響を及ぼすと見ているという。
またバントン氏は、タヒチが旅行会社の力を発揮しやすいデスティネーションであるとの認識も示し、旅行業界関係者を対象とした教育プログラム「ティアレ・タヒチ・エージェント」や今回のようなイベントなどを通してより関係を深化したいとも説明。
これについては日本支局ジェネラルマネージャーのJack Uenoyama氏も、「雨季といわれてしまっている日本の冬の期間も、実際にはそれほど雨が降るわけではなく、むしろ緑も青々として素晴らしい時期」であり、ショルダーシーズン、ローシーズンの送客にチャンスがあることから、こうした点を含めて地道に旅行会社への説明を続けていきたい考えを語った。