ジェットスターJ、新路線は成田/宮崎線-長崎も検討
ジェットスター・ジャパン(GK)は9月14日、都内で事業説明会を開催し、今後の事業計画について説明した。8日付で代表取締役会長から代表取締役「社長」に就任した片岡優氏は、昨年に策定した中期経営計画において、19年までに機材数を現在の21機から28機に増やし、路線網を拡充する目標を掲げたことを説明した上で、新たに成田/宮崎線を開設することを発表した。同社にとって宮崎は12都市目の就航地で、九州では福岡、大分、熊本、鹿児島に次ぐ5都市目。路線の開設日や運航スケジュールについては、9月20日に宮崎県庁で開催する記者会見で発表する。
片岡氏は会見で「中期経営計画を着実に進め、LCCとして最大の機材数と国内線のシェアを維持する」と意欲を示し、あわせて成田/長崎線の開設も検討していることを明かした。就航日については、18年3月末以降に発表するという。片岡氏は「(他社の)東京からの国内線の旅客数を見ると、宮崎と長崎は上位10位に入っている」と説明した上で、「成田/宮崎、長崎線は非常にポテンシャルのある路線」と強調した。
GK事業・戦略本部長の田中正和氏によれば、今後は第1拠点である成田の発着路線を増やす考え。また、来年春に拠点化する中部の発着路線についても、機材増にあわせて増便を検討しているという。GKは18年前半に2機のA320型機を導入する予定で、国際線については「旺盛な訪日需要があるので検討はしているが、国内線に比重をおいて路線展開を進めたい」と語るにとどめた。
このほか、利用者のサービス向上にも引き続き取り組む方針で、今後はキャリア決済サービスを拡充。現在はKDDIの「auかんたん決済」のみ対応しているが、今後はNTTドコモにも対応する予定という。
記者会見では、17年6月期(16年7月1日~17年6月30日)の通期業績についても発表。営業収入は前年比1.1%増の528億1200万円、営業利益は15.8%減の10億9900万円、経常利益は815.7%増の14億100万円、当期純利益は690.5%増の4億9800万円となり、営業利益以外は2期連続で前年を上回った。経費削減などによりユニットコストは改善したが、国際線の旅客数が前半に伸び悩んだことや、燃油費の上昇などから営業利益は減少。経常利益と純利益については、昨年に為替変動による外貨建て資産の評価損があった反動で大幅に増加した。
なお、旅客数は前年並みの520万人で、平均搭乗率は2.3ポイント増の85.5%だった。GKによれば、成田、関空、中部から運航しているマニラ線の通年化や、成田/上海(浦東)線の開設などで運航距離の長い国際線が増加する一方、運航時間の短い国内線が減少し、提供座席数が減少。このため旅客数は前年並みとなったが、搭乗率は改善したという。