トラベルポートが鉄道セミナー開催、アクセスレール、ハーンエアーと共同で
トラベルポートジャパンはこのほど、鉄道予約をテーマとしたセミナーをアクセスレールとハーンエアーと共催した。鉄道についても航空座席と同じように予約可能であることを紹介するもので、30社超の旅行会社が参加した。トラベルポートジャパンでマーケティングマネージャーを務める柴崎知明氏によると、同社は「Beyond Air」をキーワードとして航空座席流通だけでなく多様なコンテンツのプラットフォームとしての進化をめざしているところで、今回のセミナー開催もこの一環という。
セミナーではまず、ハーンエアー・ジャパン(HR)取締役営業部長の山室秀雄氏が、今年2月に提携したイギリスのユーロスター(9F)について説明。HRはデュッセルドルフ/ルクセンブルグ間を運航するドイツの航空会社だが、IATAの正式メンバーとして300社以上の航空会社や鉄道会社と契約を結び、契約のある航空会社や鉄道会社であればHRのフライトセグメントがなくてもHRプレートで発券ができるサービスを提供している。
9Fについても、通常の航空座席と同じようにGDSで空席照会から予約をしてHRプレートで発券可能。発券後は9Fのウェブサイトから列車のチェックインと搭乗券を取得できる。HRプレートではその他にイタリアのイタロやスペインのレンフェなどの高速鉄道の発券も可能だ。
なお、山室氏はHR独自のサービスとして、パートナー会社が破産し消費者がサービスを受けられなくなった際に金銭的な補償を受けられる保険制度なども紹介した。
一方、欧米の鉄道やバス、訪日向けのJRのパスを取扱うアクセルレール(9B)からは日本担当セールス・マネージャーのベンジャミン・ロイトブラト氏が登壇し、9Bの鉄道商品の販売が旅行会社と消費者双方のメリットにつながる事例を紹介した。同氏によると、航空券の手配同様にGDSから予約発券ができ、鉄道に関するトレーニングが不要であること、精算もBSPを通すため特別な管理が不要であることなどが強みという。
また、消費者に対しては、航空会社が乗り入れていない地域にも鉄道やバスであれば繋ぐことができる可能性があり、「新しい交通手段」としてアピール可能であるほか、所要時間短縮の効果もあると説明。例えばヒースロー空港からブリストル空港に行く場合、空路であればオランダのスキポール空港を経由し5時間以上かかるが、ロンドンのリムジンバス「National Express」であれば2時間で到着可能という。また、空路と陸路を1つの予約記録で管理できることも利便性が高いと訴えた。
このほか、柴崎氏は、スマートポイントを使った鉄道の予約手順を案内。例えばユーロスターについてはスマートポイントの「リッチコンテンツ&ブランディング機能」を利用でき、従来のGDSのような文字情報に加えて写真などのグラフィカルな情報が表示され、運賃や付帯サービスを簡単に比較して顧客に案内できると説明した。また、HRと9Bのプレートで発券が可能な鉄道については、最安値表示のショッピング機能にも対応しており、LCCやFSCと並んで鉄道も表示されるという。
なお、セミナーではドイツ鉄道の日本代理店でもある鉄道の旅代表取締役社長の白川純氏による「日本マーケットにおける鉄道予約の現状」と題した基調スピーチもおこなわれた。