週間ランキング、1位は国交省人事、ジャパネットの旅行業も

[総評] 今週の1位は、国土交通省の幹部人事でした。国土交通省は観光庁や航空局、鉄道局、海事局などを内部に持つ、旅行・観光産業に超密接に関わる行政機関で、その幹部人事が業界に与える影響の大きさも指摘するまでもないでしょう。トラベルビジョンの誌面ではこれまであまり読まれて来ず、今回の1位は正直なところ大変意外でしたが、逆にいえば本来あるべき注目が集まった気もします。

 観光庁関連では第7位にも約款に関わる記事がランクインしています。昨年7月から受付が始まった「受注型BtoB約款」の認可状況をご紹介したもので、いかにも旅行業界誌らしいコンテンツをお届けできたと嬉しく思います。業界関係者以外にはきっとまったく面白くないでしょうから、アクセス数はさほど望めないかと考えていましたが、こちらも良い意味で予想を裏切られました。

 行政と旅行業界の関係で考えると、この約款やあるいはチャーター関連の規制緩和など、行政側が実現する新しい機会を業界が積極的に活用し、次の機会につなげていく流れが大切でしょう。

 また、今週は第3位と第9位に日本/香港間の座席増の話題が入りました。3位の香港航空(HX)は、9月から10月にかけて関空線を1日4便にする計画で、9位ではキャセイパシフィック航空(CX)が成田/台北/香港線のダブルデイリー化を決めています。

 日本/香港間の航空座席は先日もお伝えした通り(リンク)、2016年に432万席となり14年比で約5割も増えているところですが、香港への日本人訪問者数も回復してきており、まだまだ座席の増加が止まることはないようです。

 一方、今週はオーストリア航空(OS)が日本市場に戻ってくるニュースもお伝えしました。来年5月から週5便ということで大変喜ばしいのですが、昨年9月に採算性を理由に撤退してから1年も経たずに「再びポテンシャルを感じ」て復便することには疑問を覚えます。

 聞くところによると、今年の初めにはすでに関係者の間で再就航の噂が出ていたそうです。また、意地の悪い言い方をすれば、10ヶ月で市場が変わるのならば来年5月までの10ヵ月でまた逆転する可能性もあります。運休によって影響を受けた方々もいらっしゃるわけで、めでたいこととは思いつつどうも手放しに祝福する気になれずにいます。

 なお、第4位はあのジャパネットが旅行業を始める話題ですが、金曜日に配信してこの順位ですので、週の前半であればこちらが首位になっていたかもしれません。これまでにない「新しいメディア系旅行会社」の登場であり、どこに勝機を見出しているのか大変興味深く思います。私もまだ詳細を聞いておりませんので、後日掲載予定の詳細なインタビューを読むのが今から楽しみです。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年06月30日0時~07月08日15時)
第1位
田村長官は留任、蝦名次長が航空局長に-国交省人事(17/07/04)

第2位
インタビュー:ANAセールス代表取締役社長の今西一之氏(17/07/05)

第3位
香港航空、関空線を9・10月に1日4便化、「日本人取り込む」(17/07/04)

第4位
ジャパネットが旅行業参入へ、第1種取得しクルーズ販売(17/07/07)

第5位
JATA、新たに7社が入会、8社退会-6月22日付(17/07/03)

第6位
夏の海外旅行者数は3.4%増、10連休など後押し-JTB予想(17/07/04)

第7位
受注型BtoB約款、第1種の1割強が認可取得-受付開始から1年(17/07/05)

第8位
オーストリア航空、18年5月から再び成田線、週5便(17/07/06)

第9位
キャセイ、成田/台北/香港線を1日2便に、10月末から(17/07/03)

第10位
プリンセス、20年度に向け日本発着拡大、大型船か2船体制で(17/07/03)