週間ランキング、1位は最優秀航空会社-JL記事も3本

[総評] 今週の1位は、例年大人気の話題である、スカイトラックスの「ワールド・エアライン・アワード」についての記事でした。利用者満足度を基準に集計するもので、今年はカタール航空(QR)が世界で最も優秀な航空会社と評価されました。QRは昨年2位から返り咲いて2年ぶりの1位、逆に1位であったEKが突然4位に順位を下げているのは目立ちますが、それにしても中東系航空会社の強さが際立ちます。

 また、全日空(NH)もこの3年で7位、5位、3位と着実にランクアップしているほか、シンガポール航空(SQ)もこうしたランキングでは上位の常連で、基本的には中東とアジアの航空会社が高評価を得る傾向はゆるぎません。

 今回のスカイトラックスで欧米系に目を向けると、10位以内は7位のルフトハンザ・ドイツ航空(LH)のみで、米系にいたっては32位のデルタ航空(DL)が最高位という状況です。こうした傾向は明らかに地域によって差が出ているわけですが、なぜそのようなことが起きるのか気になるところです。

 一番シンプルかつ最初に思いつく答えは「国民性」ですが、それでは具体的にどのような国民性なのか、そしてそれはどのようにして育まれたのか、と興味は尽きません。さらに、根拠があるか知りませんが、植民地であった経験のある土地には良いサービスがあるという話を聞いたこともあり、「サービス」そのものについての考察を含めて、国際交流のビジネスにとって様々な意味で重要なポイントであるように感じます。

 ちなみにQRは、カタールが周辺各国から断交されたことで一部路線を運休しているところですが、ちょうど4位にQRがそれらの国々への路線以外は問題なしと強調していることをお伝えした記事が入っています。普通に考えれば「あえて今乗らなくても」という声は少なくないでしょうし、また意地の悪い見方をすれば需要への影響が懸念されなければ声明も出す必要はないわけですが、一方では世界ナンバーワンの航空会社でもあり、最終的に消費者がどのように反応するか見ものです。

 さて、今週はこのほか日本航空(JL)の記事も複数ランクインしました。JLは今年のスカイトラックスでは16位に留まっていますが、航空局がJLの事業拡大を制限する根拠としたいわゆる「8.10ペーパー」の対象期間も終わり、少しずつ今後の動きが見え始めています。

 例えば2位と3位はネットワーク拡充に関する話題で、特に2位は9月から就航する成田発着のメルボルン線とコナ線について決断の背景や販売戦略をお聞きしています。

 また、ユニークなのは7位の国内線における機内WiFiの無料化で、利用者目線でいえばとてもありがたい決定です。日本ではホテルのインターネット接続も無料化されている施設が多く、そもそもインターネットがここまで「当たり前」のものになっている世の中においては自然な流れなのではないかと思います。飛行中のインターネット接続には今のところ希少性がありますが、今後導入が進めば無料が当たり前になってくるかもしれません。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年06月16日0時~06月23日18時)
第1位
スカイトラックス、17年最優秀はカタール、3位に全日空(17/06/21)

第2位
日本航空、メルボルン線は業務渡航などに期待-コナ線も勝算(17/06/19)

第3位
日本航空、関空/ホノルル線で臨時便運航、7月と8月に(17/06/18)

第4位
カタール航空、断交後の正常運航アピール-羽田線は大型化(17/06/19)

第5位
田川氏、旅行会社の「大きな責任」力説-JATA総会(17/06/22)

第6位
アイスランド航空がファムツアー、世界に魅力アピール(17/06/21)

第7位
日本航空、国内線の機内WiFiを永続的に無料化(17/06/20)

第8位
ジェットスターP、運送許可を取得、9月から関空2路線(17/06/21)

第9位
復調の香港支える座席増、プロモーションも奏功ー「適正価格」注文も(17/06/20)

第10位
大韓航空、8月に日本/ホノルル間チャーター、4空港から10往復(17/06/18)


※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
 ◆人事、KNT-CTグループ役員・部長級-「五輪事業推進室」も(17/06/21)