冬の需要取り込みに各観光局が注力-RVC2017(2)
「チームカナダ」で需要拡大へ
独自の素材をアピール
カナダ観光局(DC)社長兼最高経営責任者のデービッド・ゴールドスティーン氏は、カルガリーで開催された「ランデブー・カナダ2017(RVC2017)」で、同局のマーケティングのコンセプトとして、各州・準州の観光局が協力体制を築く「チームカナダ」を強調した。日本での取り組みを例にしたもので、ゴールドスティーン氏は「日本のチームカナダは成功している。このモデルを他のマーケットでも活用していきたい」と話す。RVC2107には日本でチームカナダを構成する各州や準州も参加し、今後の戦略を説明した。
アルバータ州
冬の絶景のアピール継続、カルガリー拠点の日帰りツアーを提案
アルバータ州観光公社では、冬の需要喚起に向けて冬の絶景を訴求する。「冬のロッキーは夏とは異なる姿を見せる」(市場開発担当ディレクターの小西美砂江氏)ことをアピールし、温泉や星空観察などの商品化を働きかける。また、冬になると凍った湖の中に無数の気泡が浮かび上がる「アイスバブル」が観測できるミネワンカ湖やアブラハム湖も、同州でしか見られない絶景として紹介する。
夏については、カルガリーとエドモントンの街の魅力を訴求。食、マーケット巡り、ビール醸造所を周る「ブリュワリーツアー」などを積極的に紹介する。
さらに、カルガリーをハブとしてロッキーや周辺の各州立公園への日帰りツアーも提案。小西氏は「特に夏のロッキーでは客室不足が続いているため、ホテルの多いカルガリーを拠点とした周遊をアピールしていきたい」と説明する。
ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)
クリスマスイベントを冬の定番に、食ではGoogleと協業
BC州のテーマも10月から4月までの冬の需要喚起だ。「夏はホテルが取りにくく、年間を通して需要を平準化するためにも強化していきたい」とBC州観光局日本担当マネージャーのモラス奈津子氏は説明する。
まずは引き続き、冬の定番としてクリスマス関連イベントを強化。過去3年間にわたって旅行会社への働きかけを続けてきた結果、「ツアーの造成も増え、あわせて送客も増えている」という。秋については日本では見られない「黄葉」をアピールし、オカナガンのワイン、クートニー・ロッキー地方の天然温泉などと組み合わせて提案していく考え。また、3月と4月は早春の花をシニア向けに訴求する。
食ではバンクーバー、リッチモンド、ビクトリア、オカナガンでの食べ歩きや旬の食材をアピール。Googleと協業として、Googleマップ上でBC州の食材を紹介する新しい取り組みも実施する。