カナダ、今年は日本人旅行者数5%増へ-RVC2017(1)
日本はミレニアル世代がターゲット
冬の需要喚起をさらに強化
カナダ政府、新観光ビジョンを策定
25年までに世界トップ10の観光国に
カナダ政府はこのほど、新しい観光ビジョンを策定した。RVC2017で中小企業・観光大臣のバーディッシュ・チャガー氏が明らかにしたもので、目標は「21年までに国際市場の訪問者数を16年比で30%増に」「21年までに中国人訪問者数を16年比で2倍に」「25年までに世界トップ10の観光国に」の3つ。目標の実現に向けて「マーケティング」「アクセス」「プロダクト」の3分野に注力する方針だ。
「マーケティング」では、DCへの17年度の予算として9550万カナダドル(約78億円)を充当し、特にデジタルマーケティングを強化する。「アクセス」はビザの取得要件緩和と航空アクセスの拡大を支援。「プロダクト」は先住民文化を観光素材とした「アボリジナル・ツーリズム」のほか、LGBTツーリズムも推進していく。
チャガー氏は「新たな観光ビジョンを通じて、世界にカナダの美しい景観、驚くべき体験、ユニークな文化を紹介し、カナダを国際競争力のある観光デスティネーションにする」との考えを表明。カナダにおける観光産業の重要性を強調した。
エア・カナダ、新設の中部線の営業を強化
バンクーバー以遠の需要取り込みも
エア・カナダ(AC)はエアカナダ・ルージュで、6月2日に中部/バンクーバー線を開設した。最大週4便で運航するもので、中部からは実に11年半ぶりのカナダ路線となる。RVC2017に参加したAC中部地区旅客営業担当部長の橋本享士氏は、本誌とのインタビューで「定番のパッケージツアーやメディア商品の予約が好調に推移している」と説明。レジャー需要の取り込みに今後も力を入れていく方針を示した。
また、「24席あるプレミアム・ルージュの売れ行きも好調」という。同クラスの乗客は、空港で手荷物の優先取り扱いと優先搭乗のサービスも受けられることから、「今後さらにアピールを強化していきたい」との考えだ。
一方、課題は米国への乗継需要の取り込み。現時点では当初の予測を下回っており、今後はセミナーなどを開催して、同路線の利便性を訴える方針だ。橋本氏は「中部からは8年ぶりの北米西海岸路線。『バンクーバーはアジアに一番近い北米の都市』という点を強調し、以遠需要の取り込みを強化したい」と意欲を示した。
さらに、カナダ発の需要にも注目。特にバンクーバー在住の中国人の、中部経由による里帰りを取り込む。路線を維持・拡大するためには双方向の需要が重要になることから、訪日市場の開拓にも協力していくという。
取材:山田友樹