カナダ、今年は日本人旅行者数5%増へ-RVC2017(1)
日本はミレニアル世代がターゲット
冬の需要喚起をさらに強化
カナダのインバウンド市場が好調だ。2016年の米国を含む国外からの旅行者数は前年比11%増の約2000万人。そのうち、日本人旅行者数は10%増の30万3726人となり、当初の目標よりも1年前倒しで30万人を超えた。こうした状況を踏まえ、このほどアルバータ州のカルガリーで開催された「ランデブー・カナダ2017(RVC2017)」でカナダ観光局(DC)は、17年の目標としてインバウンド市場全体で11%増、日本市場で5%増をめざすことを明らかにした。
潜在性高いミレニアル世代に期待
コンテンツマーケティングを強化
RVC2017で本誌のインタビューに応じたDC社長兼最高経営責任者のデービッド・ゴールドスティーン氏は、16年の日本市場の実績について高く評価。市場が成長した要因として、航空ネットワークの拡充、旅行会社とのパートナーシップの強化、若い世代の旅行者の増加を挙げた。その上で、今後は20代と30代のミレニアル世代をターゲットに新たなキャンペーンを展開し、「カナダでしかできない体験を訴求していく」との考えを説明。「20年には、過去のピークだった60万人の達成も可能ではないか」と話し、ミレニアル世代の底上げによる日本市場の拡大に期待を示した。
DC日本地区代表の半藤将代氏によると、15年にカナダを訪れた日本人旅行者のうちミレニアル世代は35%で、「55歳以上」の34%を超える結果となった。女性をメインとしたミレニアル世代は旅行にお金を使う傾向が高く、DCの調査ではカナダへの渡航に関心を持つ若い層も多いことから、今後も「ポテンシャルのあるターゲット」としてアピールを強化する。
また、半藤氏は「旅行会社などの努力によって、テーマ性の高い旅行商品が造成され、それがミレニアル世代に響いている」と分析。今後もコンテンツマーケティングを強化することで、「そうした商品がしっかりと売れるように旅行会社をサポートしていく」との考えを示した。
このほか、ゴールドスティーン氏は、世界の観光で大きな影響力を持つようになったシェアリングエコノミーとミレニアル世代との関係についても言及。「DCの管轄外」とした上で、「シェアリングエコノミーにより旅行者の選択肢が増えたということだろう。特に新しい旅のスタイルを好むミレニアル世代にとっては良いことかもしれない」とコメントした。