カナダ、今年は日本人旅行者数5%増へ-RVC2017(1)
日本はミレニアル世代がターゲット
冬の需要喚起をさらに強化
冬、食、ライフスタイル、都市に焦点
DCとカナダの各州・準州で構成する「チームカナダ」は今年、冬、食、ライフスタイル、都市の4つのテーマに焦点を当てる。このうち冬については、3ヶ年の販促キャンペーンとして「あったかい、冬カナダ」を展開。冬の絶景、食、クリスマス、マーケットめぐり、早春の花をテーマに観光コンテンツを旅行会社に提案する。すでに日本の旅行会社のVIP向けに、冬の素材を視察するFAMツアーも実施。今後も継続的に視察の機会を提供する考えだ。
また、カナダ建国150周年に向けたプロジェクトとして立ち上げた、総合ポータルサイト「カナダシアター」でも冬のコンテンツを拡充するほか、冬の絶景に焦点を当てた動画の制作や配信などにも力を入れる。さらに、昭文社「ことりっぷ」の冬のガイドブックの制作もサポートしていく予定だ。
冬のプロモーションの強化には、旅行需要の平準化のほかに、客室が不足する夏のピークシーズンを避けるねらいもある。半藤氏によれば、特に人気の高いカナディアンロッキーのバンフ、レイク・ルイーズ、ジャスパーなどは中国人観光客が急増していることから、ホテルが取りにくい状態が続いているという。
ゴールドスティーン氏もインタビューのなかでこのことについて言及し、「冬の需要を増やすとことが大切」と述べるとともに、バンクーバーではJWマリオットが、モントリオールではフォーシーズンズが開業を予定していることを説明。「カナダ全体で新たな投資が増えており、今後の客室不足にも対応していけるのではないか」と期待感を示した。
冬の需要の底上げは長年の課題だが、半藤氏は「旅行会社の努力によって、冬期の商品数は増えている」と語る。今年の1月と2月の日本人訪問者数も目標の前年比10%増を上回る24%増で推移。「3月についても前年実績を上回る見通し」といい、継続的な取り組みの成果が現れている格好だ。
食とライフスタイルについては、蔦屋書店とのコラボレーションを実施。6月初旬から8月初旬にかけて、代官山、湘南、梅田、枚方の各店舗でカナダの食やライフスタイルに関するフェアを開催し、観光の魅力を訴求していく。
都市については、バンクーバーやトロントなどのゲートウェイに加えて、モントリオール、ケベック・シティ、ビクトリアなどをアピールする。さらに、カナディアンロッキーでは客室不足への対応として、カルガリーを拠点としたロッキーへの日帰りも提案。トロントをベースとした周遊では、プリンスエドワード・カウンティやブルーマウンテンなどの組み合わせも積極的に紹介していく考えだ。