WIT2017開催、今年は489名来場-アジアのOTA市場に期待

  • 2017年6月11日

2日目のカンファレンスには420名が参加  今年で6回目を迎えるオンライン旅行業界の国際会議「Web in Travel(WIT)JAPAN & NORTH ASIA 2017」が6月8日と9日、東京で開催された。今回は「Reimagine(再想像)」をテーマに、オンライン旅行市場の動向や今後の展望などについて、講演やパネルディスカッションを実施。国内外からOTAや従来型の旅行会社、宿泊施設、航空会社、IT企業などが参加し、2日間で少なくとも12ヶ国から489名が来場した。

 WIT創設者のイェオ・シュウ・フーン氏は本誌の取材に応え、「過去最大の参加者を迎えることができた」と喜びを示すとともに、「テクノロジーに興味がある観光産業の人々には、沢山参加してもらいたい」コメント。今年はホテルや航空会社、IT企業からの参加が増えたことを説明した上で、「18年にはさらに規模を拡大し、海外からの参加者数を増やしたい」と話した。

WITのイェオ・シュウ・フーン氏  同氏は日本のオンライン旅行市場については、FIT化が進んでオンライン予約が増えるなか、日本のOTAが展開を強化し、ジェイティービー(JTB)などの大手旅行会社もオンライン事業に注力しているとの見方を説明。あわせて「訪日外国人旅行者が増えるなか、海外のOTAも次々と参入してきている」と語り、今後の市場の成長に期待を示した。

 OTAと店舗を持つ従来型の旅行会社の比較については、Amazonがこのほど米国でリアル店舗のスーパーマーケットを開業したことを挙げた上で、「オンライン・オフラインのどちらが良い・悪いとは言えない」と回答。「旅行者が双方を使い分けていくことが重要では」と語った。

 1日目は昨年に続き、旅行市場の動向や各社の事例から戦略を学ぶ「ブートキャンプ」や、スタートアップ企業によるコンぺティション「Start-up Pitch」を開催。2日目は「カンファレンス」と題し、17の講演やパネルディスカッション、コンペティションの最終選考会と優勝者の発表をおこなった。今年のコンペティションでは、マレーシアで小規模の宿泊施設向けにオンライン予約システムを提供する「softinn」が優勝した。


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