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豪州、70万人へ一致団結、日本市場再評価の動きも

  • 2017年5月24日

さらなる路線誘致へ加速
日本向け予算増も

▽ニューサウスウェールズ州政府観光局
新堀治彦氏(日本局長)

ニューサウスウェールズ州政府観光局の新堀氏(左) NHのシドニー復便以降「大変好調に推移」しており、QF、JLとも「パフォーマンスはとても良い」という。16年は27.3%増の16万3000人で、パッケージやグループなども全体的に伸長し、17年も10%程度は増えると期待。

 17年で9回目を迎える一大イベント「ビビッド・シドニー」は、16年には期間が18日間から23日間へと拡大したこともあって230万人が参加。毎年エリアが拡大し展示内容も刷新するため、海外からのリピーターも増えているという。

 日本では、航空会社との協力でイベントに焦点を当てたプロモーションを展開し、特別運賃を提供してもらうことで、認知だけでなく実際の渡航に繋がるよう工夫している。また、イベントでは、シドニーマラソンにも引き続き注力し、日本からは16年の約800人に対して17年は900人をめざす。

 さらに、シドニー以外の地域も「シドニー+(プラス)」ストラテジーとしてアピール。具体的にはバイロンベイ、ポートスティーブンス、ハンターバレーなどへの集客をめざす。


▽ビクトリア州政府観光局
高森健司氏(日本局長)

ビクトリア州政府観光局の高森氏

 16年の日本人訪問者数は26.9%増の5万9200人で、過去10年間では最高。特に、観光目的の旅行者が47.5%増の3万3900人と好調に推移した。欧州からのシフトだけでなく、メディアや旅行業界経由の認知度向上策が奏功したという。

 本局としても従来の「市場規模を維持できれば十分」といった位置付けからコアマーケットに格上げし、予算も投下して活動を強化する。17年は「15%増程度はいきたい」との考えで、メディア露出のほか、クレジットカード会社など他業界との協業も検討していく。

 また、これまではパッケージやFITに力を入れてきたが、QFの就航を受けて、インセンティブや教育旅行などのグループにも力を入れていきたい考え。そのためのセミナーやFAMも検討中だ。FIT向けには人気のカフェを紹介する冊子や、ウォーキングMAPを制作した。


▽西オーストラリア州政府観光局
吉澤英樹氏(日本局長)

西オーストラリア州政府観光局の吉澤氏

 16年の数値は、統計にもよるものの2万5000人から3万人程度。かつて5万人以上来ていた状況には及ばないものの、堅調に回復しているとの認識だ。今後もワイルドフラワーを軸としたプロモーションを継続しつつ、マーガレットリバーでのフード&ワインや、ブルームでの月への階段などでさらに需要を多様化していく。

 また、教育旅行もSGH(スーパーグローバルハイスクール)とSSH(スーパーサイエンスハイスクール)をターゲットにした活動が実を結ぶなどして戻りつつあり、引き続き活性化に取り組む。例えば、通常の修学旅行にSGHやSSH向けのプログラムを提案することもしていきたい考え。

 路線についてはチャーターの誘致に取り組むほか、直行便もQFのパース/ロンドン線の機材繰りによってはアジア地域で1路線の開設が期待できるという。20年に70万人を達成するためには「パース線の復活が絶対に必要」であり、粘り強く誘致活動を続けていく。

 パースでは18年までに14年比で客室が2000室増えるが、すでに一部は営業がはじまっていてその結果ピーク時にも部屋を確保しやすくなり、なおかつレートも下がりつつあるところ。吉澤氏は、直行便が復活すれば西オーストラリア州だけで6万人から7万人を集められると自信を示した。

※訂正案内(編集部 2017年05月24日15時35分)
・訂正箇所:ニューサウスウェールズ州政府観光局
誤:「ビビッド・シドニー」は、16年には期間が18日間から23日間へと拡大したこともあって140万人が参加

正:「ビビッド・シドニー」は、16年には期間が18日間から23日間へと拡大したこともあって230万人が参加