エストニア、16年も好調、22年までに宿泊5万人へ
エストニア政府観光局はこのほど、駐日エストニア共和国大使館の協力でセミナーを開催した。冒頭挨拶した駐日特命全権大使のヤーク・レンスメント氏によると、観光業はエストニアの中で急成長している産業。なかでも「日本からの観光客が近年増えている」といい、レンスメント氏は、「このポジティブな流れをサポートしたい」と意欲を語った。
セミナーでは、まず観光局局長のタルモ・ムッツォ氏が近年の日本市場について説明。日本からの宿泊人数は2016年には前年比5%増の2万4000人となり、3年前の2013年と比べると2倍近く増え、さらに「日帰りなどの人数を合わせると約10万人がエストニアを訪れている」という。
増加についてムッツォ氏は、エストニアが新しいデスティネーションであることや、文化や手つかずの自然をコンパクトに楽しめること、またヘルシンキからはフェリーで2時間、飛行機で30分ほどの近距離である点などを要因として列挙した。また、エストニア政府観光局日本代表マーケティングオフィサーの森友梨氏は、日本の女性誌にエストニアのモダンデザインの雑貨などが取り上げられ、若い女性を中心に知名度が上がったことが背景にあると分析した。
森氏によると、今後も継続して文化的感度の高い20代から40代の女性をコアターゲットとするとともに、旅慣れたシニア層へのアプローチを強化。ヨーロッパの主要都市を訪れたことのあるリピーターに対して次のデスティネーションとして提案していく。また、目標数値については「5年以内に宿泊人数5万人」を掲げ、今後も業界向けにセミナーやファムツアーを実施していくという。
なお、森氏によるとIT先進国として知られるエストニアは、社会生活の全てが電子化されており、例えば税金の申告は年1回、3分ほどで完了するといい、「Skype」が誕生した国でもある。また自然環境も保護されており、国土の50パーセントが森林で覆われて世界保健機関(WHO)の調べでは都市部の空気の質が世界で4番目に高い。
主要な都市はタリン、タルトゥ、パルヌで、それぞれの間にはバスや電車の公共交通機関が発達している。また、サーレマー島、ヒーウマー島、キフヌ島などへはフェリーが発達しており、昨年の春は新しいフェリーも就航。主要3都市と島以外については、公共交通機関とレンタカーなどを組み合わせる必要があるという。